こんにちはー。競技選手の全盛期には30秒スピードで90回(180回)近くを跳んでスピードマスターと呼ばれた、縄跳びパフォーマーのまっちゃん(@macchan8130)です。
縄跳び競技には制限時間内にかけ足とびが何回跳べるか?という種目があり、それぞれ30秒と3分で競われます。記録は右足が接地した回数。実際には記録の倍の数を跳んでいる計算になります。
2016年現在では競技力があがってドンドン後輩に記録を抜かれていますが、2006〜2009年当時では他の選手から頭一つ出る記録を出せていたのでは?という自負があります。
今回は、現役時代に実際に取り組んだトレーニング方法で最も効果があったと思えるリズム・トレーニングを紹介したいと思います。
[toc]スピード種目に必要な能力は?
3分間も跳ぶんだから体力をつけなきゃ・・・とお考えのあなた。
それは違います。スピード競技には走りこみや水泳などといった特段の体力トレーニングは必要ないんです。むしろ体力トレーニングをしてる時間があれば跳んでおけが持論です。
だったら腕の力が必要なんじゃない?・・・とお考えのあなた。
これも違います。腕の筋トレなんて全く必要ありません。変に筋力をつけて力を入れる回し方をしてしまえば、かえって乳酸がたまり逆効果。ロープは力を抜いて持つが基本です。
では何の能力が必要なのか。それはリズム感なんです。
ペースを刻むのは一定のほうが良い
持久走でもペース配分をしますよね。スピード競技でも同じことをやります。
30秒スピードの場合は10秒ごと、3分スピードの場合は30秒ごとのラップを考えて跳ぶんです。でも人間は疲れてくると徐々にペースが落ちてくるもの。一定のペースを維持し続けるのは、かなり難しいのです。
そこで大切なのがリズム感です。正確に言うなら「一定の速さのビートを刻み続けられる能力」が重要なんです。
リズム・トレーニングのやり方
一定の速さのビートを刻み続けられる能力をトレーニングするのに、オススメなのが「リズム・トレーニング」です。実際に自分もかなりこの練習を繰り返しました。
効果は抜群なので、競技選手はぜひ取り入れてください。
やり方1:音楽のBPMを利用する
音楽はビートの早さを「BPM(beat per minutes)」と表現します。このBPMが目標回数に近いものを選んで、音楽のビートに合わせて跳ぶ練習をしましょう。
たとえば有名な曲だと「おどるポンポコリン」は30秒で70回、ブルーハーツの「リンダリンダ」が100回ですね。好きな曲に合わせて跳ぶと、なんだか練習のモチベーションも上がりますよ。
BPMはスマホにメトロノームアプリを入れて、手動で計測しましょう。
リズムを叩きながらメトロノームでピッタリ合うビートを探します。ダンスミュージックだと60−70ぐらい、J-pooでは50−60ぐらいが多い印象ですね。
あとは90回を超えてくる曲を見つけるのは大変。ゲーム音は比較的早い楽曲が多いので、ひょっとしたら見つけやすいかも。
やり方②:BPMでリズム感を養うトレーニング
上記では目標に向けてペースを整えるためのトレーニングでした。リズム・トレーニングにはもう一つ「リズム感を養う効果」もあります。
30秒スピードで70回を超える選手は、早く回す技術も体力もさほど問題ありません。ここから必要なのは素早いリズムを的確かつ正確に刻み続ける能力なんですよ。
たとえば30秒で90回を出すとたら、BPMでいう「90の16/16」の早さ(1秒に6回)を刻む必要があります。
この速度、正確に刻み続けることできます??最初の1−2秒はいいですけど、30秒間も刻み続けるのは至難の業。徐々に乱れていって、リズムが取れなくなり失敗につながります。
ビートを一定に保つ能力も必要です。しかし、早いリズムを的確に刻み続ける能力も不可欠なのです。
リズム・トレーニングは世界的にやられている
このトレーニングを初めてみたのは日本のダブルダッチのチームでした。彼らの練習を見てスグにメトロノームを買いに行き、自分のトレーニングにも取り入れたんです。
当時はまだリズム・トレーニングは殆ど誰もやっていませんでしたが、いまや世界大会で多くの国の選手がやっています。みんな考えることや辿り着く先は似ているものなんでしょうね。それが早いか遅いかだけ。
派手な技アクロバットに目が行きがちな縄跳び競技ですが、実はリズム感も非常に大切な能力の一つなのです。
是非、縄跳び競技で上位を狙いたい選手は取り入れてみましょう。