AIによってなわとび大会の独自分析にゲームチェンジが起きている件
こんにちは。日本なわとびアカデミーの粕尾将一です。
今回は、自分が行っている「選手たちの成績分析」について少し共有したいと思います。
自分は感覚も大切にしていますが、それと同じぐらい、客観的な数字やデータを基に分析することが非常に好きです。
例えば、各大会が終わった後には選手たちの結果が一覧で手に入ります。その結果を受けて「じゃあ次はどのような戦略を立てていくか」を、数字を見ながら考えていくのが面白いんです。
これまでは、大会ごとに結果をExcelに打ち込んで分析し、次の戦い方を考えてきました。
しかしこの分析は作業量が多くて非常に大変でした。それがここ数ヶ月で一気に状況が変わりました。AIの登場です。
今回は、AIの登場によって分析がどのように変化し、今後どのような展開ができるかについてブログにまとめておきたいと思います。
大会結果は「情報の宝庫」
まず大前提として、大会が終わった後のデータは情報の宝庫です。
先日、アジア大会(Asian Jump Rope Championship2026)が終わり、アジアトップレベルの選手たちの結果がたくさん手に入りました。
これらは単に1位、2位、3位という順位を見るだけでなく、その結果から「選手たちがどのような戦い方をしてきたか」「どのような戦略を持って臨んできたか」が見えてきます。
なぜなら、選手たちはそこに向けて全力で練習し、考え抜いた上で戦っているからです。大会の動画や結果の数値は、いわばその「答え合わせ」になります。
これらを分析することで、以下のようなポイントが見えてきます:
- 今、世界のトップレベルはどういう戦い方をしているのか
- 次の大会に向けて、各国がどんな戦略を立ててくる可能性があるか
だからこそ自分はこの結果分析を非常に重視しており、これまでも世界大会、アジア大会、そして全国大会(All Japan)などはかなり細かく分析を進めてきました。
この分析の積み重ねによって、自分の指導ノウハウや戦略立てのベースが出来上がったと言っても過言ではありません。
これまでの課題とAIによるブレイクスルー
ただ、これまでの分析には大きなデメリットが2つありました。
- 計算ミスが起こるリスク
- 膨大な作業量
今までは、PDFなどで配布されたデータをコピー&ペーストできない場合、Excelシートにすべての数値を手打ちで入力していました。
この手打ち作業だけで1日〜2日、下手したら1週間近くかかることもありました。そうして手間暇をかけて貴重なデータを手元に残し、分析を行っていたのです。
しかし、AIが登場したことによって、これらの作業があっという間にできるようになりました。
- 目視情報のデータ化:PDFからの数値抽出はもちろん、画像(写真)ベースであっても読み込んで一瞬で数値化
- 高度な分析・集計・統計:データ化した数値を、多様な方法でミスなく、かつ圧倒的なスピードで処理
その中で自分が特に面白いと感じているのが「成長率の分析」です。
これまでも自分オリジナルの方法で成長率を分析し、「このくらいの記録を狙った方がいい」「世界の潮流はこうなっている」といった指標を出してきました。
しかし、自分の数学的知識の限界もあり、計算ミスや表記ミスが含まれる可能性はゼロではありませんでした。
そこをAIが補ってくれることで、統計学に基づいた正確なデータを一瞬で出せるようになりました。
AIの活用で今後実現できること
AIの導入によって、今後はさらに面白い展開ができると考えています。
1. 各国の戦略分析
成長率の推移を見ることで、各国がどのような戦略を立てているかが見えるようになります。
例えば、スピードにおいて圧倒的なレベルの高さを見せている中国に対し、「成長率から逆算して、日本はどのくらい記録を伸ばすための練習をしなければならないか」といった具体的なアプローチが見えてきます。
2. 日常の練習データの蓄積と活用
大会結果だけでなく、日々の練習データの蓄積が極めて有効になります。
- 今回の練習でこれだけの記録が出た
- 次はどのくらいを目標にするか
- この1ヶ月で数値はどう変化したか
- その変化に合わせてどのような練習をしたか
こうした日々の内容をすべてデータ化してAIに読み込ませることで、「この練習方法は効果があったのか」「どうすればより効果が出るのか」といった予測まで立てられるようになります。
これまでは、データを集めるだけで満足してしまったり、分析の手間が障壁になったりしていましたが、今後はAIというツールを使ってデータを十分に「活用」できるようになります。
過去10年分のデータと今後の指導への還元
今後、自分自身もさらに分析を進めていきます。
特にスピード種目だけでなく、フリースタイルに関してもより細かい分析ができると考えています。
すでに分析を終えたアジア大会の結果については、「なわとびカレッジ」や「名古屋なわとび教室」の選手たちに共有していますが、この分析精度は今後さらに上がっていきます。
なぜなら、自分が日本に帰国してからの約10年間、蓄積してきたデータがすべて手元にあるからです。
これは他では絶対に手に入らない貴重な財産です。
この過去10年分のデータを基に:
- 選手たちがどのような成長をたどってきたか
- 今後どのように成長していく可能性があるか
- 成長を促すためにどんな指導方法が効果的なのか
これらをより高い精度で導き出し、日々の指導の中に生かしていけると確信しています。
これからの時代、データを貪欲に集めて十分に活用していくことが大きなポイントになります。データの分析とAIの活用は、指導の現場において大きなゲームチェンジをもたらすはずです。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。





