なわとび競技のはじめ方

【IJRU】新しい競技規則の第3案が公開。ルール要点のまとめと、今後の予想

こんにちは!

縄跳び伝道師のまっちゃん(@macchan8130)です。

世界のなわとび業界が注目している「IJRU(International Jump Rope Union)」の最新版のルールの、第3案が公開されました。

Technical Congress News — IJRU

次回の世界大会から準拠される競技規則ということで、国内のなわとび競技者も知っておきたい内容です。

現段階で読み取れる要点をまとめておきましたので、ルール理解の参考にしてください。

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競技種目とカテゴリー

新しい競技ルールで実施される種目を一覧にしました。個人戦と団体戦に分けてそれぞれ見ていきましょう。

年齢制限とカテゴリー分け

個人戦(単縄)

団体戦(単縄)

団体戦(ダブルダッチ)

その他追加種目

単縄の難度点の採点方法

次に細かい採点の方法を見ていきましょう。

難度点の採点方法は大きな変化はなく「基礎レベル」+「付加レベル」で決定されます。ただ、一部の基礎レベルや付加レベルの付け方が変化しました。

技レベルの決め方

各技の基礎レベル

付加レベルが取れる動き

ダブルダッチの難度点の採点方法

続いてダブルダッチの難度点の採点方法をみていきましょう。

ダブルダッチも基本的な技レベルのとり方に大きな変化はなく「ジャンパーのレベル」+「ターナーのレベル」で決定されます。

各技の基礎レベル

付加レベルが取れる動き

プレゼンテーションとリクエレ

今回大きく変化したのがプレゼントリクワイヤードエレメント(リクエレ)ですね。項目も採点方法も変化しているので注意深く確認しましょう。

プレゼンテーションの採点方法

リクワイヤードエレメントの採点方法

IJRUルールの第3案をみた雑感

ザーッとルールの要点をまとめてきましたが、ここからは縄のまっちゃんの個人的な見解です。

どれも協会からの公式発表ではないので、ふーんぐらいの軽い気持ちで読んでくださいね。

年齢区分の基準日が変わると何が起こるか

これまでは大会開催年の12月31日現在の年齢によってカテゴリー年齢が決まっていました。しかし今回のルールでは大会開催年の8月31日現在の年齢に変更されています。

どういう事が起こるかを、たとえば2020年の世界大会を例に考えてみましょう。

基準日変化で起こる例
  • 2008年3月生まれのA君
  • 2008年12月生まれのB君

旧ルール ⇒ 二人とも2020年12月31日では12歳なので、出場OK

新ルール ⇒ A君は2020年8月31日で12歳なので、出場OK。

B君は2020年8月31日にはまだ11歳なので出場できない

つまり、2019年4月に5年生になった学年の人で4月~8月生まれの人は世界大会に出場できて、9月~3月の人は出場ができません。

もともと早生まれの1月~3月は出場できませんでしたが、さらに学年内で出場できない人の幅が拡がってしまうイメージですね。

単縄がアクロバット偏重のルールになっている

難度点の付け方やリクエレの項目を見ると、アクロバットへの偏重が見られます。

とくに多回旋に入れる交差やT.J.のレベルが引き下げられたことを考えると、相対的にアクロバットの方が難度の高い技をやりやすい仕組みになっています。

たとえばレベル7の技をする場合を考えてみましょう。

  • バク転で着地する前に縄を引き抜く=レベル7
  • SEBOOCL(5重跳び基礎4+EB1+CL2)=レベル7

どちらが難しいか?はなんとも言えませんが、、、

バク転が上手できちんと倒立姿勢で止まれる人なら、バク転から縄を引き抜くのは難しくありません。一方でSEBOOCLは5重跳びの超絶技ですので、できるのはホンの一握りのトップ選手だけですね。

つまり、しっかり体操の練習をしている人には難度が取りやすいルールになると言えそうです。

ダブルダッチのアクロバット偏重は相変わらず

単縄以上のアクロバット偏重はダブルダッチの難度点です。もはやアクロバットをしないと難度点を取るのは不可能です。

ジャンパーレベルとターナーレベルで難度点は決まりますが、ジャンパーレベルはアクロバットをしないとほぼレベル1です。

日本でよく見る「面ハリー」「3倍スピード」「音にハメたダンス」あたりでは、残念ながら難度点は取れません。

またターナーレベルも「片手制限」「両手制限」「リリース」がメインなので、ロイヤルダブルダッチのような超絶ロープ操作も、残念ながら難度点には入りません。

ダブルダッチはアクロバットをしないと難度点が取れない

世界大会に予選ラウンドと決勝ラウンドができるかも

ルールに「大会の上位6名(チーム)がFINALに進むことができる」という記載がありました。

これまでの世界大会は各国の代表が一気に競技をしていましたが、もしかすると予選ラウンドと決勝ラウンドのような仕組みができるかもしれません。

たしかに各国3名ずつだと人数も多くて、見ている人も大変でしたからね。World Jump Ropeで行われている「Grand FINAL」のようなイメージで、決勝ラウンドを創るのはアリかもしれません。

一方で気になるのが、各国が選抜できる代表人数です。

ルールでは各国の代表が何名までという記載がありませんでした。もしかすると、World Jump Ropeのように参加するのは誰でもOKで、決勝ラウンドに進出するのは大変だよ!という仕組みにする可能性があります。

こうなると各国の代表選抜予選の意味がなくなってしまいますが・・・

まだ公式発表はないので、今後の動向にに注目です。

まとめ

最終的なルールは2019年の7月に公開される予定なので、今回の第3案のルールもまだまだ変更される可能性はあります。

それでもIJRUの方向性と意図はなんとなく読み取れる箇所がありました。オリンピックを目指しているなわとび競技ですが、このルール施行されてどのような大会になるか楽しみです。

個人的には、アクロバットでばかり評価される競技にはなって欲しくないなぁと願っています。