大会があるとスゴイ数の動画を見ます。先月も100本以上は見ました。
こうして多くの動画を見ていると、同じ技なのにチームによって盛り上がりが違うことに気づきます。ダブルダッチでは面ハリー*1とアクロバットが盛り上がりますが、ミスが無いのに観客のリアクションに差が生まれてしまう。
なぜ同じ技をしてるのに観客のリアクションに差が生まれるか。ここには大きく3つの要因があると思うんです。
その人、チームへの期待感
コンテストのような大会では、上位に食い込む強豪チームは自ずと有名になります。さらに○○の誰々さんは何が上手だ!みたいな下馬評も出てくる。
これってその人、チームに対する会場からの期待感に直結するんです。
よっ!待ってました!!みんなが期待してる○○さんの技!!!という感じで、誰がその技をやるか?で盛り上がりが変化する。広い意味では、その人と技がセットになったことで生まれた盛り上がりとも言えます。
反対に、無名の人はこの盛り上がりを追い風にできない。その場でのみ評価されるので、ステージ立つ段階でハンデ戦になるのは仕方ありません。
つまり、何をやるか?より誰がやるか?で盛り上がりが左右されてしまうんです。
経験値からくる自信
次にポイントになるのはステージ慣れ。どうしても本番は本番でしか経験値がつめません。この、経験値からくるステージ慣れと自信がパフォーマンスの質を押し上げます。
たとえば全く同じ動きでも、経験値が低いチームは随所にぎこちなさが出てしまう。縄に入る瞬間で余計に助走したり、次の動きを気にして下ばかり向いていたり。。。
人は経験を積み重ねることが出来ます。極度の緊張が強いられる本番でも同じこと。それまで積み重ねた経験を下敷きに、これなら大丈夫!と本人やチームに自信を持つことが出来ます。
不思議なもので、パフォーマンスは言葉で表せない部分もしっかり観客に伝わります。ちょっとした躊躇や焦り、言葉されて初めて意識に上るような些細な現象さえ、観客の評価に影響を与えるのです。
「何となく良かった」をじっくり検証してみると、技自体よりこうした小さな積み重ねが原因だったりします。
動きが効率化されて観客の快感を引き出す
動きは、回数と経験を重ね効率化されていきます。一般の小学生と日本代表選手がやる二重跳びは違います。後者のほうが圧倒的に熟練度が高いですよね。
以前「タテ」と「ヨコ」の技術について記事を書きました。ここで言う熟練度が高いのは、ヨコ方向が伸びている状態です。
『脚が200度まで開く人は、あえて180度までしか使わないで踊る。この、あと20度分が踊りに余裕を生み、表現力と美しさを創り出すのだ。』とあるバレエ教室のページで見つけた言葉。一瞬で自分が目指したい指針を言い表してくれた。
— 粕尾将一 (@macchan8130) 2012, 2月 8
効率化とは余計な力や余分な動作を削ぎ落とすこと。人は整った動きに安心感を覚えます。安心感が重なると、次第に快感へと変化していきます。
貪欲に本番を経験する大切さ
こう考えると結局は長年やってるチームには勝てないのか…と思えます。ですが年数と経験は全てがイコールではありません。
経験が浅いうちは、貪欲に本番を経験すればいいんです。大会は年に数回に限られますが、パフォーマンスの出来る場所は他にも沢山あるはず。
単縄の人は冬場になると小学校へ出向き、毎日のようにパフォーマンスしまくってます。年間100回以上する人もいるので、彼らはモリモリ経験を積んでいると言えます。
練習は大切です。が、それ以上に大切なのは実際に人前でやるパフォーマンス。100時間の練習より5分の本番の方が学ぶことは多いです。
たとえ歴が短くても、貪欲に経験を積めば年長チームにも勝てるかもしれません。
*1:お客さんの方を向き、素早い足捌きで跳ぶ技や組み合わせの総称