シルクドソレイユアーティストの日常

ない物ねだりを止めて、強みを武器にした方が100倍勝ちやすい。

念願のショーを見ることができた。
シルクドソレイユVarekai(ヴァレカイ)だ。

諸事情により日本公演が行えなかったという。
衣装デザインをかの有名な石岡瑛子さんが手掛けたことでも有名だ。

個人的にはクリエーションを追ったドキュメントFire Withinの印象が強い。
ステージに立つ側の人間の苦労を描いてる作品で、相当過酷な状況に追い込まれるアーティストを鮮明に写していた。自分自身がモントリオールに行く直前だったこともあり、恐怖と好奇心で一杯になったのを今でも覚えている。

ちなみにモントリオールのトレーニング時代はこの辺の記事をご参照。

2010年4月 到着直後
2010年5月 がっつりトレーニング
2010年6月 締め括りとオーランド

ファイアー・ウィズイン [DVD]で見ていたこともあって、ヴァレカイはどこか親近感がある。
ショーが出来るまでの大変さを画面越しで見て、自分も似たような経験をしたからかな。

本当に大変なトレーニングなんだなって。
しかも場合によっては本当に容赦なく解雇される恐ろしい場所なんだって。
良いショーを作るためなら、何でもするんだって。。。

ヴァレカイには日本人のバトントワリングのアーティスト「Arisaさん」が出演している。
彼女はアリーナになってから合流したという。

日本人がこうして別のショーに出演しているのは嬉しい。加えてバトントワリングは縄跳びに近い「道具系」のアクトで興味深い。

ジャグリングを除く道具系はアクトの作り方が難しいんだよねぇ。
技が専門的過ぎると伝わらないし道具を扱うとはいえステージに立つと人間が全面に出る。道具による動きの制限も加わる。しかも多くの場合はソロだったりする。

迫力という意味では大人数のアクトには及ばない。
ダンスという意味では本場のダンサーには及ばない。
あと・・・ショーに専門の人が殆どいないから理解されにくい。

でも道具系アクトにも強みがある。それは環境に左右されにくいこと。「場」を与えてくれればできる。大掛かりな器具もいらないし装置も必要ない。屋外でも出来る。また道具という制限があるとはいえ器具よりは自由が効く。つまり、表現の可能性が広げやすい。

演技の種類が違うからアクロバットの迫力やダンサーの美しさ・キレには及ばないこともあると思うけど、道具系アクトにしか出せない強みがあると思う。だからこそショーで求められるのだし、人の心にも届く。

ヴァレカイで頑張っているArisaさんの演技を見て、こんなことを考えていた。
同じ道具系のアーティストとして良い刺激になった日。

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2016年10月16日