こんにちは!
なわとびパフォーマーの粕尾将一こと縄のまっちゃん(@macchan8130)です。
世間にはたくさんの縄跳びが出回っていますよね。安い100円均一の縄跳びから1万円を超える高級品まであって、選び方が難しいですよね。
そこで縄跳びのプロである縄のまっちゃんがロープの素材別に比較し、目的別のオススメを紹介します。
幼稚園で初めて縄跳びに挑戦するお子さんから、トレーニング・ダイエットに挑戦中の人まで、選び方の参考にしてください。
縄跳びの素材別の選び方とランキング
つぎに縄跳びの素材についてみていきましょう。素材によって太さや重さが異なるので、目的が大きく変わります。主な縄跳びの素材は下記のとおりです。
- ビニール
- 紐・布
- ビーズ
- ワイヤー
紐製・布製は「耐久性」と「かわいさ」
引っ張っても壊れにくいため、保育園や幼稚園で取り入れているケースが多いですね。
幼稚園で使う場合は電車ごっこやロープ遊びに使うので、耐久性と可愛さで選ぶといいでしょう。
ただし、縄跳びを跳ぶ目的であれば他を買ってあげてください。二重跳びができない子供を見るとほとんどが「ヒモ」を使っているんです。
またあまり市販の選択肢がないので、耐久性が高く連結できて電車ごっこがしやすい下記のロープがオススメです。
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ビニール製は「硬さ」と「グリップ」が重要
ビニール材質でできた縄跳びで、一番オーソドックスな素材です。100円均一でも売ってますし、市販されている縄跳びはほぼビニール製です。
ビニール製は細くて回しやすいのが特徴です。ただし季節や縄跳びの保管方法によっては「クセ」や「ねじれ」が発生して上達を妨げます。
保管方法さえ気をつければ非常に飛びやすい縄跳びですね。
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一般社団法人日本なわとびアカデミーの公認なわとびです。グリップの長さとロープに適度な硬さがあるので特徴です。ただし、飛びやすさのため硬いロープを採用しているため屋外で長時間使うと断裂することも。
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こちらは有名なアシックスのなわとびです。耐久性が抜群でクセが付きにくいので、トレーニング用に使うならオススメ。一方でロープが柔らかいため二重跳びや三重跳びはやや跳びにくいですね。
ビーズロープは「素材」と「グリップの長さ」
ナイロン製のヒモにビーズが通してあるのがビーズロープです。
他に比べて重さがあり、前とびの練習がしやすいのが特徴です。また地面に接触すると「カシャン」と音がするので、リズムが取りやすくなるメリットがあります。
ほかにも運動会の集団演技で2人とびや連鎖とびをする場合、カラフルで見た目も華やかになりますよ!
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一般社団法人日本なわとびアカデミー公認ビーズロープです。耐久性が高く、または4歳~5歳の子供でも扱いやすい小さめのグリップを採用しています。長さの調整も簡単にできます。
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こちらはJUMP Yuedong(中国)のメーカーが作ってるビーズロープです。個人的にこのメーカーの人も知り合いだったりします(笑)
大人がダイエットとして使用するにはいいのですが、グリップが長いので小さい子どもには扱いにくいかも。
ワイヤーロープは「硬さ」と「グリップ」が重要
金属のワイヤーを使用した縄跳びで、高速回転に適しています。縄跳び競技ではほぼ100%の選手が使うほど一般的で、二重跳びや三重とびの記録に挑戦する人にオススメです。
ただしワイヤーロープは金属のため、屋外での使用はできません。また保管方法を誤って「クセ」がついてしまうと、元には戻せません。
交差跳びやその他の技にも向いていないので、高速回転に特化した縄跳びといえます。
ワイヤーロープを選ぶときのポイントは「硬さ」と「固定のしやすさ」です。硬さがあるほど回転効率が良くなり、回しやすくなります。また長さの調整を「ネジ」でおこなうモノがほとんどで、調整のやりやすさもポイントになりますね。
関連記事:【中級者向け】二重跳び連続や競技にオススメのワイヤーロープとは?
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一般社団法人日本なわとびアカデミーの公認ワイヤーロープです。二重跳び連続や高速回転で使うのには最適な硬さと太さのワイヤーを採用してます。長さの調整にドライバーが必要なのが玉にキズ。
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日本なわとびアカデミーと近いグリップを採用しているが、やや耐久性が低い。ロープの素材がやや柔らかいため、力の伝わり方が悪い。工具無しで調整ができるのは便利。
選び方は何に使うか?で決めよう
あなたが縄跳びを選ぶ目的は何ですか?
ひとくちに縄跳びといっても、目的によって選び方が全然違います。そこでざっくりと以下の目的でどこに当てはまるかを確認してみましょう。
- はじめて縄跳びに挑戦する(4-5歳)
- 二重跳びが跳べるようになりたい
- 二重跳びや三重とびの連続回数記録に挑戦したい
- マルチホイール、二人とびをする運動会で使いたい
- 縄跳び競技に挑戦したい
- ダイエットで減量に使いたい
- トレーニングで持久力を上げるために使いたい
縄跳びと言ってもこれだけ目的があるんです。では1つずつオススメの縄跳びを見ていきましょう!
はじめて縄跳びに挑戦する(4-5歳)
いまは幼稚園や保育園で縄跳びをはじめるところが増えています。
年中(4-5歳)の子供には、回す感覚が掴みやすいビーズロープを使いましょう。ビーズロープは適度な重さがあり、地面にぶつかる「カチャンっ」という音でリズムが取りやすいくなります。
関連記事:【4歳~5歳幼児向け】はじめての縄跳びにオススメ「ビーズロープ」
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次にオススメなのはビニール製の縄跳びですが、軽いためロープを回す感覚を掴むのにちょっと時間がかかるかも。またビニールだと癖やねじれが起きると飛びにくくなるので注意してください。
反対にヒモ製、ワイヤー製は初めて縄跳びをする子供には向きません。
幼稚園・保育園の指定でヒモ製を使うケースもありますが、縄跳びの上達には不向きですので注意してくださいね。
二重跳びが跳べるようになりたい
前跳びができた次は二重跳びの練習がしたいですよね。二重跳びには早く回せるビニール製がオススメです。
また縄跳びの素材とは直接関係ありませんが、グリップ(持ち手)の長さも重要です。グリップが長いとテコの原理で力を効率よく伝えることができ、より早い回転が生み出せます。
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ちなみに前とびはビーズロープがおすすめですが、二重跳びにはビーズロープだと重すぎてやりにくいのでオススメできません。また軽くて太い紐ロープは、プロであっても二重跳びがやりにくいので避けてください。
二重跳びや三重とびの連続回数記録に挑戦したい
上手になってくると、二重跳びや三重跳びの連続記録に挑戦したくなりますよね。連続記録に挑戦するならワイヤーロープがおすすめです。
ワイヤー素材は細い金属でできているため、「より回しやすく」「疲れにくい」特徴があります。
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なわとび競技でスピードを競う種目でも、ほぼ全選手がワイヤーロープを使っています。国際大会でもほぼ全員が使っているので、回しやすさは間違いなしです。
ただしワイヤーロープは屋外使用ができないので注意してください。ワイヤーは細い金属を編んで作られているため、ザラザラした屋外で使うとスグに壊れてしまいます。
ワイヤーロープで練習するときは必ず体育館などの屋内で練習しましょう。
マルチホイール、二人とびをする運動会で使いたい
運動会でなわとびの演技をしたい場合、ビーズロープが見た目きれいなのでオススメです。
2人とびや動画のようなマルチホイールは、ビニール製の縄跳びよりも回しやすく見た目も華やかになります。
運動会の演技は広いグラウンドでやるので、ビニールの縄跳びだと遠目過ぎて見えないんですよね。しかも屋外で風の影響を受けやすく、失敗のリスクも高くなります。
関連記事:運動会におすすめ!!小学生にも出来る「縄跳び集団演技」4選
縄跳び競技に挑戦したい
縄跳び競技には大きく分けて「計測種目」と「フリースタイル」の2種類があります。
まず回数を競う計測種目では空気抵抗が極限まで少ない「ワイヤーロープ」を使用しましょう。これは国内外の全ての大会でほぼ100%の選手が使っています。
ワイヤーロープはビニール製やヒモ製と比べて圧倒的に細いため、空気抵抗が少なく早く回すことが可能です。
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ただしワイヤーロープは屋外などザラザラした場所で使うと一発でダメになってしまいますので、扱い方には注意してください。
他にも競技で必要な道具などはこちらのページにまとまっているので、参考にしてください。
参考ページ:フリースタイルなわとびcom
ダイエットで減量に使いたい
縄跳びは全身運動のためダイエットに効果があります。ジャンプを繰り返すので非常に運動強度も高く、広いスペースも特殊な器具もありません。
なわとびの運動量は水泳のクロールや自転車レースに匹敵するほどなので、カロリー消費もバッチリです。
オススメなのは比較的安価で耐久性が高いビニール製なわとび。前跳びだけでなく二重跳びやハヤブサなど、幼少期を思い出して使うと楽しく続けられますよ!
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また室内で回すだけのエア縄跳びというもありますが、個人的には疑問ですね。
回すだけでも腕の筋肉は使いますが、全身運動にはなりません。
ダイエットをするにはできるだけ大きな筋肉を動かして消費エネルギー量を増やすほうが効率的です。腕の小さな筋肉よりも、しっかりジャンプをして「大腿四頭筋(ふともも裏)」や「脊柱起立筋群(背中)」といった大きな筋肉を動かしたほうが良いと考えています。
トレーニングで持久力を上げるために使いたい
縄跳びは全身運動のため、持久力を高める効果があります。また一定のリズムを刻んで回すためリズム感を鍛える効果もあると言われています。
ボクシング選手が縄跳びをするのは有名ですが、ほかにも下記のようなスポーツ選手が縄跳びを取り入れています。
- 野 球 :持久力のアップ、肩のインナーマッスルトレーニング
- サッカー:持久力アップ、足さばき、リズム感
- バドミントン:持久力アップ、ステップのリズム感
- アイススケート:持久力アップ、バランス感覚向上
- 陸上競技: 跳躍力向上、プライオメトリックトレーニング
よく見ると、持久力以外にもリズム感・跳躍力・バランス感覚など、さまざまな能力向上のために用いられているのがわかります。
下記にそれぞれの種目ごとのオススメの縄跳びをまとめておきましたので、参考にしてください。
ボクシング | ビーズロープ、ヘビーロープ |
野球 | ビーズロープ |
サッカー | ビニールロープ |
バドミントン | ビニールロープ |
アイススケート | ビニールロープ |
陸上競技 | ビニールロープ |
グリップ(持ち手)の選び方
ロープの部分が注目されがちですが、縄跳びは持ち手も重要です。持ち手の重さや長さによってどう変化するか?を紹介します。
持ち手がない縄跳びはありか?
新体操などで使うロープの場合、グリップがない状態で使用しますよね。でも縄跳びを跳ぶことを目的とするなら、グリップが無いのはオススメできません。
第一に、グリップにはロープと手の摩擦を防いで怪我を予防する役割があります。グリップがない状態で回しても飛べなくはありませんが、練習中に摩擦で手を痛める恐れがあります。
また縄跳びは地面に接触するたびび僅かずつ「ねじれ」が起こっていて、グリップの中にある回転子によってねじれを防いでいます。グリップがない状態で練習すると、ねじれを解消できません。
新体操など特別な理由がない限りは、グリップのない縄跳びで練習をするのは避けましょう。
グリップの長さで力の伝わり方が変わる
グリップの長さが変わると、ロープに加えられる力が変化します。
短いグリップと長いグリップを比べてみると、ロープとグリップが接している部分の動く幅が大きく変化します。すると同じ力で振っていても、長いグリップのほうが大きな力を加えることが可能です。
一方で長いグリップが移動が大きくなるため、二重跳びを連続で跳ぶときにはブレが大きくなり失敗しやすくなります。なので連続回数の記録に挑戦するとき、縄跳び競技のスピード種目に挑戦するときは短いグリップがオススメです。
力の加わる効率 | 安定感・ブレ | 特徴 | |
長いグリップ | ◎ | △ | 交差跳びや二重跳びがやりやすい |
短いグリップ | △ | ◎ | 二重跳び連続、スピード種目をに向く |
ロープの調整方法に要注意!
グリップの中に入っている白いパーツを回転子といいます。この回転子は縄跳びのねじれを防ぎ、また長さの調節をする留め具になっています。
この回転子には「U字型」と「ストレート型」という2種類がありますが、下の図のようなU字型はオススメできません。
よく100円均一で売っている縄跳びがU字型です。この調整方法は簡易的で、練習中にすぐに外れてしまいます。また一度外れたロープを元に戻すのも子どもには大変です。
もし調整方法が確認できるなら、下記のようなT字型の回転子を選びましょう。
グリップの重さはあまり関係ない
グリップの中におもりが入っている縄跳びがありますが、正直効果に因果関係は見当たりません。
じつはあれ、過去に小学生の間でグリップの中に砂を入れて重くすると飛びやすい!という噂が流れて流行したのを商品化したものなんですよ。
たしかに重さがあると安定するような感覚がありますが「二重跳びが上達する」「フォームがキレイになる」というのは個人差と言わざるを得ません。
ベアリングの入っているグリップは上級者向け
グリップの中にベアリングが入っている縄跳びは本当にとびやすいのでしょうか?
縄跳びはロープを加速させるだけでなく、足を地面につける瞬間に減速しているんです。ベアリングは加速には向いていますが、減速には向きません。
つまり高速回転ならベアリングの効果を発揮できますが、普通の前跳びや交差跳びだと、かえってロープが回りすぎて失敗しやすくなります。
三重跳びや競技のスピード種目に挑戦する人であれば、一度ベアリングに挑戦してもいいでしょう。
縄跳びの選び方は、ロープ素材とグリップ
前跳びが飛べない・・・と言われて縄跳びを見たら、幼稚園で指定されたヒモ製の縄跳びを使っていることが本当に多いんです。
ビーズロープを使えば、前跳びはあっという間にできるようになります。適切なビニールロープを使えば二重跳びは一気に近づきます。
たかが縄跳びですが、ロープ素材とグリップによって飛びやすさが千差万別。驚くぐらい上達のスピードも変わりますし、運動効果も変化します。
上手にならない、効果が出ないのは、ひょっとして縄跳びの選び方に原因があるかもしれません。