スポーツ・運動指導

教える力の磨き方:あなたが上手でも教えられない理由

こんにちは!

縄跳びパフォーマーのまっちゃんです。

スポーツ選手をはじめ、引退後に自分の競技を教える指導者に回りたいと考える人は多いですよね。自分も日本なわとびなわとびアカデミーで、多くの人に縄跳びを指導し続けています。

  • 学校の部活で教えたい
  • 地域のスポーツ少年団で指導者になりたい
  • トップアスリートを指導するコーチになりたい

 

目的や場所の違いこそあれ、自らの打ち込んできたモノだからこそ、後世に伝えたくなるものです。しかし、教えることとあなた自身が上手なことはほとんど関係がない事実には注意が必要です。

[toc]

自身が上手であることの弊害

ある程度の実績を残したり経験が長かったりすると、教える時にマイナスに働く場合があります。あなた自身も教える時にこんな状況になったことはありませんか?

  • 指示が通じない
  • 言ってることを理解してくれない
  • 何回やっても失敗する

とくに子どもに指導する場合はよくあるケースですよね。

なんで言ってることがないの?

ちゃんとアドバイスどおりにやれば上手にできるのに!!

 

こんなイライラが溜まっているとしたら、残念ながらあなたはまだ教えることに関しては素人なのかもしれません。

苦手やできないが、理解できない

上手な人の中には、感覚が優れていて苦労せずして上達してしまった人が少なくありません。

あまり地道な努力をした記憶がない、気づいたら人より上手にできていた、こんな感覚をあなたが持っている場合は要注意ですね。

自分自身がサクッとできてしまったことは、感覚だけで言語化できていない。つまり初めて学ぶ人や子供に伝えるのに苦労するんです。さらにいえば、何故できないのか理解できない。

上手ゆえに教えるのに向かない人で、もっとも多いケースです。

スパルタ方式で叩き込まれている

根性と気合で回数をこなして気付いたら上手になっていた!という人も注意が必要です。

素振り100回!!フットワーク1000回!!みたいな、スポ根アニメのような練習で、部活やクラブチームで稀に見かけるケースですね。

この場合、先生やコーチは理屈や理論を持っているかもしれません。しかし、やらされているだけだったあなたに、果たして理屈や理論が伝わっていたでしょうか?この手の練習の常套句として「四の五の言わずに回数をこなせ!!」です。

たしかに基礎を反復するのは大切です。頭でっかち尻つぼみといいますし、無意識に落とし込むまでやり込む練習も必要でしょう。ただ何も考えず、目的も理解しないまま練習していることが問題なのです。

このようなやり方を続けてきた人は、選手にも同じような練習方法をさせます。結果的に「いまの若者は気合が足りない!」といったブラックな練習になってしまうのです。

教える素人の自覚

上手であることと、教えることは全く異なる活動です。

仮にあなた自身が上手な選手であったとしても、あなたに教えたのはコーチや指導者なので、指導経験はゼロ。独学で練習したにしても、経験値は自分自身だけです。

つまり、本人に技術があろうか無かろうが、誰しも最初は教える素人なんですよ。

この自覚を持てるかどうかは非常に大きい。どれだけ実績を残した人でも教えるのが下手なままの人が多いのは、過去の実績に引っ張られて教える経験をしっかり積み重ねていないのがほとんどなのです。

大会で好成績→指導も上手?の落とし穴

世間には「上手な人=教えるのも上手」というイメージが先行しすぎています。

オリンピック選手から学ぶ◎◎とか、一流に◎◎を教えてもらえる!とか、実際に参加してみると当たり外れが多いと言わざるを得ません。

でも考えてみれば当たり前のことで、技術力や競技力が高いとは言ってるけど、指導力が高いとは言ってないんです。本人は自分の感覚を最大限に活かし、周囲のサポートで上達してきただけかもしれない。

だとしたら、そんな人達アドバイスや指導を求めるのはお門違いと言わざるを得ません。

まとめ

あなたが心血を注いで取り組んできた競技を、後輩や子どもたちに伝えていくのは素晴らしい活動です。次世代に繋がっていくことで競技は発展し、自分もスポーツを通じて学ぶことも多いと信じています。

 

  • 私はこのやり方で上手になった!
  • この方法を理解できない選手が悪い!
  • なぜ理解できないんだ!

 

子供や後輩に教えていると、ふとした瞬間にマウントを取りたくなってしまう。教える立場になると「上」にいる錯覚に陥るのも人情というものでしょう。

しかし錯覚は錯覚。教える人と選手(生徒)は対等です。

あなた自身が競技が上手だからといって、教えるのも上手だとは限りません。教える活動をはじめたばかりの人は、誰しもスタートは素人なのです。

この自覚を持つことこそ、教える力を磨くもっとも大切なポイントではないでしょうか。