スポーツ・運動指導

二重跳び100回とべないと練習に参加できない!?習い事に蔓延する闇への怒り

こんにちは!

縄跳びパフォーマーのまっちゃんです。

日本なわとびアカデミーには縄跳びに関するたくさんの依頼や相談が来ます。なかにはちょっと信じられないような相談もあるんです。

習い事が二重跳びが◯◯回できないと練習に参加できず困ってます。

この相談が1度でなく、複数回きているんですよ。もはや縄跳びの上達云々よりも、怒りを覚えてしまう案件です。

二重跳び100回に意味はあるか?

二重跳びを100回とぶのは、正直無意味です。

もちろん1つの目標として100回を目指すのはありでしょうけど、トレーニングとして何かしらの能力が向上するとは考えにくいですね。

そもそも、なんで二重跳び100回なんでしょうか。

しかも連続で跳ぶ必要性がどこにあるのか。仮に体力をつけるだけであれば前跳びでも十分です。高いジャンプで足を鍛えるのであれば、失敗関係無しでトータルで100回跳べばOKです。連続でやっても失敗しながらやっても、100回の負荷は大きく変わりません。

二重跳100回自体を目標にしている以外では、本当に無意味なんですよ。

なぜ必要なのかの説明責任がある

最初に断っておきたいのは、人様の指導方針に口出しする気は毛頭ありません。しかし指導者である以上は「なぜ必要なのか?」を説明する責任はあると思うのです。

二重跳びのような連続ジャンプは「プライオメトリクストレーニング」に分類されます。ここではプライオメトリクストレーニングから、二重跳び100回の妥当性を見ていこうと思います。

プライオメトリックトレーニングの効果

プライオメトリクストレーニングとは、一般的な筋トレとは少し異なるトレーニングです。

ざっくりいえば、瞬発力を高めるためのトレーニングですね。一般的な筋トレでは鍛えにくい素早い動作や動きをしながら力を発揮する動作、スポーツで実践的に使える力を高めることができます。

プライオメトリックエクササイズの目的は、ストレングストレーニングと同様、身体的パワーを向上させることである。

筋力トレーニングがパワーを鍛える上で必要な筋および神経系の適応を生じるのに対し、プライオメトリックスはパワーのスピード面を重点的に鍛え、生理学的な変化を運動能力へと変換する。

プライオメトリックス入門:筋力をパワーに変換する

 

二重跳び100回の怪我のリスク

プライオメトリックトレーニングは瞬発力を高める効果がありますが、同時負荷が大きいため関節や筋肉に大きな負担のかかります。

下記はNSCA(National strength and conditioning association)の論文の引用です。

プライオメトリクスは週に2、3回行うだけの場合が多い。疲れていない状態でトレーニングを行うことが望ましい。

一般的なルールとして、プライオメトリクスのセット実施時間の 5 ~10倍の休憩時間を確保すること。

セット数が10回を超えないように注意すること。

プライオメトリクスの強度に関する実践的ガイドライン
Practical Guidelines for Plyometric Intensity

 

国際的なトレーニング団体が週に2-3回と言っていますし、回数や休憩に非常に慎重になっているのがわかります。

つまり二重跳びを100回も跳ぶこと、達成までに何時間も練習し続けることが、どれだけ危険かがわかると思います。

二重跳び100回の妥当性は?

プライオメトリクストレーニングは、瞬発力を高めることができます。しかし連続的で跳び続けることで身体への負担が大きいため、怪我のリスクが高まります。

一般的には週2-3回だけと言われているので、毎日練習するのはやりすぎですね。さらに疲れていない状態で取り組むもので、十分な休憩を取り適切に設計されている必要があるのです。

以上のことから、縄跳びはやり方を間違えれば怪我をすることがわかります。膝や腰はもちろん、シンスプリントや疲労骨折といった日常生活動作にも支障が出るレベルで身体を痛めてしまう可能性があるのです。

一歩間違えれば犯罪の可能性あり

言いたくはないですが、二重跳び100回を跳ばないと練習に参加させない!というこの案件は「強要罪」に当たる可能性がありそうです。

指示に従わない場合に制裁を加えるようなことを指導者側が言った場合には、強要罪に問われる可能性があります。強要罪が成立すると、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金刑に処されることとなります。

丸刈り、食事の強制、過酷な練習・・・「ブラック部活」に法的問題はないのか? – シェアしたくなる法律相談所

 

妥当性がないことは上記のプライオメトリクストレーニングの説明で明らかです。それでもなお二重跳び100回をさせるとなれば、もはやパワハラです。

同じスポーツ指導者としての願い

今回は二重跳び100回を題材に上げました。縄跳びの楽しさを伝えている縄のまっちゃんとしては、本当に悲しい事案です。

もしあなたがスポーツを教える立場にあるなら、もう一度考えてみてください。キツいトレーニングを生徒に課すことの意味と理由を。そして、妥当性のない根性論だけの単なるシゴキは許されない行為です。

もしあなた自身やあなたのお子さんが、このような指導者に習っている場合。本音では今スグ辞めたほうが良いと言いたいのですが、コーチやクラブに頼りたい事情も理解できます。

なのでせめて、自身やお子さんの身体を壊さないように労ってあげてください。たった1つだけの大切な身体は、一度壊してしまったら元通りにならないこともあります。

なにより子供が楽しくスポーツに取り組み、本当にやりたいことができる環境を整えられる人間が増えることを願ってやみません。