こんにちはー。縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。
皆さんの身近には「スゴイ人」はいますか?
スポーツや記録で実績を残した人、有名になった人、仕事で業績を上げた人、、、スゴイ人の定義は何でもいいです。
世間ではスゴイ人になりたい人が多いようです。スゴイ人の習慣、スゴイ人のやり方、これらのモノがもてはやされ書籍や記事として出回っています。
嬉しいことに、縄のまっちゃんもこれまでの経歴を持って「スゴイ人」という名目で仕事をしています。では「スゴイ人」の名目を持つことができた立場からは、どんな景色が見えるのでしょうか。
縄のまっちゃんが体験してきたエピソードを元に、スゴイ人になってみての現実を一部紹介します。
[toc]本人に実感がない
スゴイ人には実感がありません。なにしろ、本人がスゴイ人を目指してなったわけじゃないんですよ。たまたま見つけた好きなことや得意なこと。これらで人より実績や成績を残すことができた。これだけなんです。
つまり、本人の実力で成し遂げられたと自負しにくい。運の要素が大きいのを否応なしに認めざるをえないんです。
スゴイ人像は周囲の言葉や雰囲気によって形成されていきます。そう、本人がスゴイ人にしてくれ!と周りに発信するのではなく、気付いた時にはスゴイ人として持ち上げられ、その状態が固定化したところに「スゴイ人」の名目を持った立場が生まれるのです。
自己肯定化のために演じる
人は無意識に整合性を保とうとする生き物です。
周囲からスゴイ人と持ち上げられた途端、その状態を維持しようとする心理が働きます。そう、スゴイ人とはどんな立ち居振る舞いをするかを意識し、周囲からの目線と自身を一致させようとするんですよ。
この辺になると勘違いが生まれ始めます。
始めのうちは自身がスゴイ人だと実感がなかったのに、なんども言い聞かせられ続けて「自分はスゴイ人なんだ!」と思い込みの全能感を強化してしまう。
たしかに実績や記録を残したという点では才能があったかもしれない。しかし、スゴイ人として全ての事柄において優れているとは限らないのです。
スゴイ人の壁
自己肯定感を強め、思い込みを強化したままで生きていけるうちは幸せです。周囲の期待と本人が一致してますからね。
でもこの時間は長く続かなくて、実績や記録はいつの日か抜かれるし体力も衰えてくるんですよ。
たとえば縄のまっちゃんには「6重とび」というキャッチコピーがあります。縄跳びパフォーマーのイメージとしては分かりやすくインパクトが有り、非常に使いやすいコピーです。
今でも小学校やイベントに出演では、ほぼ間違いなく6重とびを求められますし披露します。
ただ考えてみてください。縄のまっちゃんが6重とびを成功させたのは18歳の時です。いま2016年で30歳を迎えます。高校生3年生のときに出来た技を、競技も引退し30歳を迎えるいまでも続けてるんです(笑)
この状況は他のスゴイ人像を持った人にも振りかかる現実です。
縄のまっちゃんは必死に練習を積み重ねて6重とびを維持しています。いまでもシッカリ成功させられます。しかし、スゴイ人の全てが最盛期の成績や実績を求められ、提供できるでしょうか。
技や記録にはトレーニングが必要ですし、加齢による衰えを無視することは出来ません。こうしてスゴイ人は、過去の自身のスゴイ人の壁によって追い込まれていきます。
おわりに
この世に確かにスゴイ人はいます。しかしそれは、実績や記録を切り取った「像」でしかありません。
自分の周りにもスポーツで輝かしい実績や記録を残したスゴイ人がいます。でもみんな、その時以外は普通の人です。
モチベーションを維持するためにスゴイ人を目標にするのはいいと思います。しかし思い込みの全能感でスゴイ人の壁に押しつぶされれば、少しずつ苦しくなってしまう。
周囲にもスゴイ人は居ます。彼らに共通しているのは「変わらないなぁ…」という印象。
皮肉ですが、スゴイ人は「壁」も「周囲」も気にせずに突き進んでいるからこそ、スゴイ人たるのかもしれません。