こんにちはー。縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。
先日、エアリアルパフォーマンスのお手伝いとスタッフをしてきました。
高い位置から吊るした2枚の布で行う演技のこと。
エアリアルティシュと呼ばれるサーカスの人気アクト
これまでサーカスの世界にいましたが、こうしてスタッフとして仕事をしたのは初めてのことでした。不思議なもので、サーカスに出ている時はこうしたスタッフをやりたいとも思わなかったんですよ。
[toc]縄跳び。それだけがショーでの仕事
シルクドソレイユでは「なわとび」のアーティストをしていました。仕事はショーで縄跳びを披露すること。これが自分に与えられた仕事なんです。
裏を返せば、なわとびの演技を披露すること以外は仕事ではありません。体力や技術を維持するという補助的なものを含めても、会社側から求められたのは「なわとび」だけだったのです。
会社は何をして欲しいのか
縄跳び以外のことは会社は求めていません。さらに厳しく言えば、縄跳び以外のことで本業に支障をきたされては困るんです。
縄跳びアーティストは「ソリスト」です。ほかに同じことが出来るアーティストは常在していませんので、欠員=即アクトへ影響なんです。
対費用効果を考えれば「怪我せず、休まず、ずーっとショーに出て欲しい」が経営者としての本心ですよね。他の企業でも同じです。休まず辞めずに働いてくれることが、経営的にもっとも効率的。
こう考えると、アーティスト(雇われる側)の成長意欲や好奇心は会社側にプラスとは限らないんですよね。
ベクトルの違いやリスクは困る
会社としても、本業と同じ方向のベクトルで意欲を燃やしてくれるのは大歓迎でしょう。しかし成長や好奇心は大抵の場合、今あるものとは違う方向へとベクトルが向いています。
たとえば自分の場合は「クラウン」や「バク転(アクロバット)」へ向いていました。
なかでもアクロバットは怪我のリスクが有ります。百歩譲ってクラウンは良しとしても、無茶な練習で怪我をされてショーに穴を開けられるのは会社としてマイナスです。
いま思い出すと、やんわりディレクターからも「25歳を超えてアクロバットの練習は危険だよ」と諭されてたんです。ディレクター個人の意見かは別として、ショーを運営する立場としてはごもっともな指摘。
なにより、自分自身がこの事情を気付かずに受け入れていたんです。
おわりに
シルクドソレイユでの6年間は一つのことに集中し、全てをそこに注ぎこむ時間でした。良くも悪くも、意図的に視野を狭くして取り組んでいた仕事だったのです。
自分は成長や好奇心が好きです。
ただ会社や組織に所属する人にとって、これらが全てプラスになるとは限らないんです。