縄跳びパフォーマーのまっちゃん(@macchan8130)では、毎年7月に行われる国際大会のジャッジ兼通訳として必ず同行しています。
世界中から縄跳び好きが集まる場所なので楽しくて仕方ないんですよね。
今回も第9回アジアロープスキッピング選手権大会へ日本代表選手団と同行してきました。
大会の空き時間は各国の選手と交流したりコーチと情報交換をしています。名古屋なわとび教室の指導にあたっているので、とくにコーチとはトレーニング方法や人材発掘など情報を交換。
しかし、彼らの考え方から違和感を感じました。
[toc]強いだけの選手が増殖している
国際大会の場は真剣勝負です。各国の威信をかけて本気でぶつかってくる試合です。
マイナーとは言え縄跳びも競技が成熟し、コーチ&生徒という図式がかなりしっかりとしてきました。すると、生徒をにどう勝たせるかをコーチが考えるようになります。
縄跳び競技は自由に技を組み合わせて点数を競う、花形種目の「自由演技」があります。
ここでもトレーニングの方法や練習メニューはもちろん、演技構成にもコーチの考えが色濃く出てくる。場合によっては出場している選手の殆どが同じ振り付け、同じ曲・・・ということも。
もちろんこれは勝つための方程式です。しかも実際に成果を出しているので、競技で勝つための正解の一つなのです。
生徒を見るか、成果を見るか
勝負の世界で勝てるのであれば、一つの正解です。ただ縄のまっちゃんはこの正解があまり好きではありません。
たしかに競技として勝つことはできるでしょう。でも、そこに生徒の意志がほとんど見えないんです。
音楽を作って点数の出る振り付けを考える。あとは生徒に1つずつ丁寧に教えていく。すでに演技が完成しているので、正解・不正解が明確です。
この時、生徒は考える必要が無いんですよね。ひたすらに出来るようになるためのトレーニングを続ける。できれば国際大会出場、失敗したり演技を覚えられなければそれまで。
どうしても自分には、生徒を勝負のコマとして扱っているようにしか見えません。
遊び方を知らない弱さ
縄のまっちゃんの指導方針は「遊べ!」です。
縄跳びを使ってどんどん遊んで、面白い跳び方やネタをどんどん出してほしい。実はこの遊ぶというのが高度なことなんですよ。遊びを作って楽しむとは、
- すでにある技を把握する
- 組み合わせや入れ替えで発想する
- 初めてのやりかたを創造する
- 自ら挑戦して満足、1に戻る
ここにコーチも先生もいない。つまり、生徒自身が本人で考え、楽しみ、自己完結している。遊ぶには考えて発想する力が必須なのです。
一方ですべてを教えられてきた生徒には考える力が育ちません。演技を作ってもらえなければ競技を続けられません。
大切な時間を使ってトレーニングした結果こんな生徒を増やしても、彼らの将来に何が残るのでしょうか?
教えるではなく、伝える
縄のまっちゃんの指導は、教えるのではなく伝えるです。もはや指導ではなく伝道なのかもしれません。
遊び方を教えて考える力を伸ばせば、生徒は勝手に上達していきます。長く競技を続けることもできるでしょう。仮に第一線を退いても、さらに次の後世に伝えることができるでしょう。
縄のまっちゃんの指導は、世界一縄跳びが上手になる指導ではないかもしれません。しかし、世界一縄跳びを楽しめる方法を伝える指導法だと自負しています。
この方針は今後もブレることはありません。