こんにちはー。 縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。
シルクドソレイユはアクトを組み上げる時、専門外のアーティストも多く活用しています。
そこは皆、運動神経抜群のサーカスパフォーマー。そこらの人とはワケが違います。でもやっぱり人によって得意不得意があるんですよね。
たとえば縄跳びアクトでも「ロープ回し」を担当していたアーティストがいました。誰でも出来そうと思われがちですが、実はそうじゃない。重たくて長いロープを一定のリズムで回すのは結構難しいんです。
共にショーを創りあげる同僚を、自分達はお互いに信頼しています。でなきゃショーになりません。でも、信頼するのと「できるはず」と期待するのは紙一重なんです。
できるはずの危険性
練習すればできるようになる、は個人差があります。
たとえば縄跳びアクトには一列に並んで跳ぶ「ジャンプライン」という集団技がありました。この技は立っている人の位置が少しでもズレたり、リズムが乱れたりすると失敗してしまいます。
一定リズムでジャンプするのってできる人には簡単でも苦手な人には至難の業なんです。本人は一定のリズムで跳んでるつもりでも、ちょっとずつタイミングがズレてしまう。
また同じ場所に留まってジャンプするのも難易度が高い。縄跳びに慣れてる人ならまだしも、未経験者だと得意不得意がハッキリ分かれてしまうんです。
こういう事を「練習すればできる」と考えてしまうと危ないんですよね。
本人は必死に練習してますし、まわりもサポートしてます。でも二十年以上も運動の世界で生きてきた人が頑張っても出来ないのに、どうやって習得させたらいいでしょうか。
信頼してないワケじゃない
このようなケースなら「この人は出来ないんだ」と認めてしまうと良いんですよ。練習すれば誰でも何でもできるなんて、ありえませんからね。
これ、信頼してないワケじゃありません。むしろ相手の「できる範囲」を認めた上で、どこまでを求めるかを考えてるんです。
チームで動くときは「誰がなにを得意か?」を知ってるのは重要です。どれほど相手を信用しても、得意不得意がひっくり返るわけじゃありません。
むしろ相手のできる範囲を超えて期待してしまうと、チームワークに亀裂が走るキッカケになると思うのです。なぜ出来ないんだ、信頼を裏切られた。元を正せば相手がどこまでできるかを見誤っているからこそ、招いてしまう誤解ではないでしょうか。
大切なのは結果。そのためのカバーをする
相手のできる範囲を見誤ったことがキッカケで、仕事上のミスが生まれては本末転倒。
仕事ではお客様に見せる結果が全てです。ショーで言えば本番の演技で何が見せられるかが全て。ここまでどれだけ練習したとか、リハを何回やったとか関係ない。いま、この瞬間、目の前で演じる内容に責任を持つ必要がある。
できる範囲が狭いなら、この分を周囲がカバーしてしまえばいいと自分は思うのです。
ちょっとした気遣いや判断で防げるミスなら、防いでしまったほうが良い。「自分の責任じゃない」とかここで言い出しちゃう人は、チームにいながら一人で仕事をしてる感覚なのではないでしょうか。
チームや組織の強みは「お互いの強みでお互いの弱点をカバーできる」コトに尽きるのです。
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