シルクドソレイユアーティストの日常

感覚が常に正しいと思い込む落とし穴

一番信用ならないモノは、もしかすると自分自身の感覚なのかもしれない。

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単縄の人にとって、縄の長さは生命線の1つ。
長さが違うだけで「ミス」にも「成功」にもなるため、細心の注意を払って調節をする。

そんな最重要であるはずの縄の長さ、
最近のShowで使っていた縄が、想像より15㎝も短いことが分かった。

15㎝というと大したことないように思えるが、
単縄やってる人なら「30秒スピード」のワイヤーと同じ長さと言ったらピンと来るかな?
つまりは、相当なムチャクチャな短さで跳んでいたってこと。

つい最近、Showで使う縄を変更した。
以前使っていた縄は、回しやすいけど切れやすい。
しかもミスで縄を引っ張ると、長さが変わってしまう弱点があった。

そこで今使っているモノに変更をしたわけだけど…

この縄変更をキッカケにあるシステムも変更した。
以前は基準縄を作って全ての縄の長さを均一に保っていた。
まさに寸分の狂いもない、1㎝単位での長さ調節。

でもある時から、
「感覚とか感性の方が重要じゃない?」って思うようなり、思い切って基準縄を廃止。
1㎝単位でじゃなく、自分が思う跳びやすい長さにすればいい!ってことにした。

これが全ての問題の始まり。

縄跳びは上達するほどに長さを短くできる。
一概には言えないけど、全日本クラスの選手の使う縄は小学生よりも短い。

自分も縄が短いことで有名で、
小学生が短すぎて跳べない!っていうネタにしてた。

だが短くするにも限度がある。
短すぎれば当然、引っかかりやすくなる。

以前使っていた縄はすぐに伸びて長さが変わってしまった。
だから頻繁に短く調節をしていた。

何を勘違いしていたのか、
新しい縄になった後も、頻繁に短く調節を行ってしまったのだ。

新しい縄は伸びない。長さも変化しない。
なのに徐々に短くしていく。
すると当然、縄は必要以上に短くなる。

必要以上に短くする

ミスが起こるようになる <= 短すぎるから

練習をしてカバーする <= 短い縄に慣れる

また短くする・・・・・

悪循環。
こんなことを繰り返すうちに15㎝も短い縄が完成。

ついには短さの限界を突破、ミスの多発を招くことになった。

人間の感覚は変化する。
縄の長さも同じで、技術の変化に合わせて「良い感じ」と思う長さが変化する。

たしかに感覚は大切にした方がいい。

でも時には客観的な数字、
たとえば㎝とかの基準と照らし合わせて、
感覚が異常なほどにズレてはいないか、確認する必要があると思う。

感覚だけを信じすぎると、
目の前の簡単な問題点が見えなくなってしまう。

灯台下暗し、ってね。