こんにちはー。縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。
中高のダンスが必修化になりましたね。
自分は大学時代に舞踊方法論研究室に在籍して、表現教育や身体表現について学びました。
よくダンスというと「ストリートダンス」というイメージがありますよね?でもこれって少し解釈の範囲が狭いんですよ。ダンスは表現運動ともいいます。つまり身体を使った表現活動は、全てダンスになり得るんですよ。
ダンスはストリートダンスだけじゃない!!
ブレイクダンスやヒップホップをはじめとした縦ノリのダンスのことを、学習指導要領では「現代的なリズムのダンス」と呼びます。
ダンスは,「創作ダンス」,「フォークダンス」,「現代的なリズムのダンス」で構成され,イメージをとらえた表現や踊りを通した交流を通して仲間とのコミュニケーションを豊かにすることを重視する運動で,仲間とともに感じを込めて踊ったり,イメージをとらえて自己を表現したりすることに楽しさや喜びを味わうことのできる運動である。
▶出典◀
よくメディアでは「学校の先生が仕事終わりにダンススタジオでレッスンを受ける」といった感じで取り上げられてます。
でもあれ、学習指導要領の中にある「現代的なリズムのダンス」にしか焦点があたってないんですよ。
ダンスは「創作ダンス」「フォークダンス」「現代的なリズム」の三つで構成されてます。あくまで、現代的なリズムのダンスはこの内の一つなんです。
表現の題材は無限にある
身体表現というと「クネクネ動く分けわからないヤツ?」みたいな印象を持ってる人も多いはず。たしかに舞台上で演じられる「創作ダンス」の中には抽象的で難解な作品もあります。
しかし「表現」=「分けわからない」ではありませんよ?
たとえばクラウン。あれも立派な身体表現です。意味のあるフレーズを使わず身体だけで笑いを生み出す、という表現です。このように内側にある「何か」を外側に向けて表す行為は全て表現といえるんです。
創作ダンスだからと言って難しく考える必要は全然ないんですよ。
道具を使った表現のオススメ
たとえば大学時代に教授に教えてもらった「見えない長縄」という表現教材があります。。
一列に並んで同時に複数人で長縄をとびます。でも、実際のロープは使わずに「エアー長縄」をするんです。絶対に引っかかることはありません。
でも全員の呼吸が揃うに従い、不思議なことにロープが見えてくるんです。見えないロープを一斉に跳んでる状況が生まれ「いま引っかかったよね?」なんてのも認識できるようになる。
こうした「道具」を使った表現活動、実はシルクドソレイユでも似た教材をやるんです。「割り箸」や「新聞紙」を使ったコミュニケーション・トレーニングは、学校体育の表現教育でも鉄板ネタです。
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▶シルクドソレイユのワークショップでも、ほぼ同じ内容をやってる
シルクドソレイユと『村田芳子ダンス教育方法論』の共通点|なわとび1本で何でもできるのだ
体つくり運動に「なわとび」の可能性がある
ダンスには「体ほぐしの運動」が密接に関係しています。相手のとのコミュニケーション、そして自身の身体に気付くことは「表現運動」の第一歩なのです。
体ほぐしの運動は,「心と体の関係に気付く」こと,「体の調子を整える」こと,「仲間と交流する」ことをねらいとして行われる運動である。
ここに自分は「縄跳びを使った教材」を提案したいんです。
縄跳びといえば「体力を高める運動」として持久力を付けることに焦点が当てられがちです。しかし実は仲間とコミュニケーショをするのに最適な教材なんですよ。
一人とびは黙々と跳んでるイメージがあります。同じリズムで跳ぶ仲間を増やしたらどうでしょうか?これを「シンクロなわとび」と呼びます。息を合わせてシンクロすることで、仲間と交流したり呼吸の合うリズムを体感できます。
さらに1本のロープで2人が跳ぶ「二人とび」では、相手のリズムやタイミングを計らないとスグに失敗します。失敗すればお互いの心が乱れ、さらに失敗は続きます。ここで「心と体の関係に気付く」ことができるのです。
このように「体力を高める運動」としてだけ焦点が当てられる縄跳びですが、視点を変えれば表現教育の教材にもなる。実際、体育授業で縄跳びを取り入れている高校もありますからね。
おわりに
ダンスや表現運動はとても範囲が広いです。その結果、広く認知されていてイメージのしやすい「現代的なリズムのダンス」に流れていったのでしょう。
現代的なリズムのダンスは素晴らしい教材です。ただ、メディア的には学校の先生が必死にダンスレッスンに通うのが、物語として扱いやすいのでしょう。
が、それ以外にもダンスと表現運動の世界は広がっています。あまり難しく考えず授業をやってみてください。
そして是非「身近な道具」を使った教材、縄跳びにもチャレンジしてみてください。
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