チームの全員が頑張って仕事をしています。
どこかで聞いたことのあるフレーズ。
努力は美徳、とても耳触りがいい。
けど注意して観察してみると、
たまーに頑張りを暴走させてしまっている人が居ることに気づく。
俺は頑張っているんだという主張
頑張る人が暴走すると、時に思わぬ方向に進んでしまう。
それは全員が頑張っているのになぜか上手く行かない状態だ。
ラヌーバにはソリスト以外にも縄跳びを回している人が数名いる。
ダブルダッチとは別のトライアングルという長縄。
トライアングルの図
三角形になり3つの頂点で両腕を使って縄を回す。
黒丸が回す人で赤が縄跳び。この内側を複数人が跳ぶ。
トライアングルはよく揉める。
しかも異口同音にあいつの縄回しが良くないから縄跳びが上手に回らない!と。
自分のところに文句を言いに来ては、○○にちゃんとやるように言ってくれ!と苛立ちながら訴えてくる。
一方で当事者の○○に話を聞きに行けば、苦情元の方が変な回し方をしてるからと反論。
・・・。
では、誰が犯人なのか。
誰かがワザと縄跳びを変に回しているのだろうか?
いや違う、犯人なんて存在しない。
居るのは頑張るを暴走させている人達だけだ。
頑張るのは良いことだと思う。何かに向けて努力をしているとか、真剣に取り組むとか。
しかしこれが排他的な考えに繋がると厄介。
自分は頑張ってるんだから、自分は正しいから、相手が間違っている。
こうして皆が頑張るけど結果の伴わないチームが完成する。
一回、頑張るのやめよ?
お互いに相手をフォローしていると思いながら頑張るのは好ましい状態ではない。
たとえば上記のトライアングルの場合。
ここではまず全員が正しい技術を正確に把握していなかった。
更に3人とも我こそが縄跳びの歪みや乱れを修正していると自負していたのだ。
この2点が、3人を頑張りの暴走へと進めてしまった原因だった。
そもそも、縄跳びを回すのは難しい。
皆の頑張りは認めるけど、一度頑張るのを辞める。
全部リセットして基本に立ち返る。
お互いに基本に忠実に回すことだけを意識してもらった。
方向を確認しながら頑張る
頑張ることそのものを否定はしたくない。
ショーをより良くするために協力して頑張るのは理想的だ。
だが誰かのフォローをするために頑張ってるとなると話が変わってくる。
たとえ最初は善意のつもりでも、時間が立つにつれ相手へ苛立ちが募っていく。
しだいに相手への要求も増えていき、火種へと変換されていく。
(相手のために)こんなに頑張っているのになぜ?!
という思考回路になってきたら黄色信号。
そんな時は一度立ち止まり、なぜ必要以上に頑張るのかを考えてみる。
もしかすると相手は無意識にやっていたことかもしれない。
自分がフォローしようとしてかえって状況を悪化させているかもしれない。
トライアングルのように、互いに相手をフォローしていると勘違いしてるだけかもしれない。
きっとパワー配分は80%ぐらいの方がいい仕事が出来る。
「160度しか開かないなら、140度で踊りましょう。20度の余裕で音を取ったり、順番を覚えたり、感情表現をしたりすることが出来るのです。いっぱいいっぱいで踊ったらバレエの真の醍醐味は得られませんよ。」
バレエを愛する全ての人に20度の余裕を持って踊ってもらいたいと思います。
あなたの頑張り、暴走していませんか??