あなたはこの本を知っているだろうか??
これは高校生の頃に初めて手に取ったなわとびの参考書である。
ブログでも紹介た二重とび練習法に出てくる「太田式スモールステップアップ」の考案者、太田先生が書かれた本だ。
数多くなわとび本が出ているけど、この本は跳ぶ人と教える人の両方に役立つ本である。
競技・パフォーマンスの基礎になる
ハンドブックで紹介されている競技は「INF」というスタイル。5つの技を4回ずつ連続で跳び、技点の合計を競う。これはフリースタイルや縄跳び競技をする人にとっては抜群の基礎練習だ。
はじめは「二重跳び」「交差とび」のような簡単な技から、10級以上になれば「はやぶさ」「三重跳び」「三重跳びのはやぶさ」などフリースタイルでも多用される技が登場する。
特にポイントが後回し系の組み合わせもできないと先に進めないこと。国内トップの選手でも、後ろの三重跳が連続できる選手は一握り。これが後ろ「三重のはやぶさ」になれば殆ど誰もできないだろう。
(※)1級には後ろ三重のはやぶさが登場する
競技やパフォーマンスを目指している人にはぜひ取り組んでもらいたい。過去、自分も師匠のSADAさんに促されてINFをガッツリ取り組んた。10級~1級までできるようになれば、ほとんど基礎が出来ていると言っても過言ではない。
教える時の動きのポイントが紹介されている
自分で縄を跳ぶ人だったら、50級〜40級ぐらいまではすっ飛ばしていることだろう。縄を片手に持って前に走ると言われて、素直にやってる人の方が不思議だ。
ではなぜこんな動きが級として紹介されているか?それは子どもの運動の発達が考えられているからである。前とびが出来ない子どもに対して効果的に縄跳び運動を習得させる段階が序盤の級で紹介されているのだ。
大人や上級者にしてみれば殆ど必要ない序盤の級も、見方を変えて子どもに教える時のポイントとして役に立つ。事実、自分の教え方や指導法はハンドブックの影響を大きく受けている。
またどの順番で技を習得するのが効果的かが入念に研究されているので、上級者の子どもに取り組ませるのにもINFは適している。はやぶさに入る前に二重とびと交差とびをやるあたり、縄跳びをじっくり研究しているなぁとため息が出る。
長縄・ダブルダッチ(二条縄)も紹介されている
表紙が1人で跳ぶイラストだけど、実は長縄やダブルダッチも紹介している。広く行われている八の時とび、迎え縄・かぶり縄のような専門的な跳び方に至るまでわかりやすく図入りで解説されている。
運動会でなわとびパフォーマンスを取り入れることを紹介した記事を少し前に書いたが、このハンドブックを参考にするとより具体的なイメージができるはずだ。まぁ研究目的で分類されていたりするので、見た目にどう映るかは一概に言えないのだけど…。
余談だけど、ダブルダッチは一昔前まで二条縄と言われていた。INFなわとびハンドブックより以前、戦後すぐに発刊された書籍には既に二条縄としてダブルダッチが紹介されている。
跳ぶ人も教える人も、一読の価値あり
高校の時、カラーマーカーで順番に技や級を塗りつぶしていったのが懐かしい。今思えば固いコンクリートの上でよくもまぁ跳んだものだ。
ある程度で本棚の片隅に追いやられてしまったのだけど、子どもに教え始めた頃に再読して度肝を抜かれた。自分が跳んでいる時には見向きもしなかったページをめくると、子どもに教える基礎がふんだんに詰め込まれていたのである。
なわとび教室を始めた当初は、それこそ毎日読み返した。
後ろ系の技はしばらくやってないし、
もう一度10級からやり直してみようかな?