こんにちはー。
縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。
よく縄跳びに必要なのは「回す力」と「ジャンプ力」のどちらですか?という質問を受けます。
もちろん両方あるに越したことはないです。でも圧倒的に大切なのは「回す力」です。というより、実は四重跳び以降のジャンプ力には「五重跳び」も「六重跳び」も大きな違いは無いんです。
これはどういうことなのでしょうか?
垂直飛びが高くても滞空時間に差はない
ここで垂直跳びが50cmのAさんと、80cmのBさんがいたとしましょう。その差は30cmです。これだけ差があれば、ひと目でジャンプ力の違いが見て取れますよね。
では、このジャンプ力の違いで縄跳びの差に繋がるか。残念ながらほとんど関係ありません。なぜなら縄跳びに必要なのは「最高到達点」ではなくて「滞空時間」だからです。
たとえばこのページで計算してみましょう。二人の体重を50kgとして、一体どのぐらいの差が生まれるでしょうか。
■参考ページ:空気抵抗有する自由落下(距離から計算) – 高精度計算サイト
Aさん:垂直跳び50cm
自由落下の経過時間(t)=0.32(小数点第二位を四捨五入)
滞空時間=0.32 x 2 = 0.64秒Bさん:垂直跳び70cm
自由落下の経過時間(t)=0.4(小数点第二位を四捨五入)
滞空時間=0.4 x 2 = 0.8秒
計算上、この二人には0.16秒しか差がありません。ちなみに垂直跳びで「200cm」を跳ぶことが出来れば、滞空時間はAさんの倍の「1.28秒」になります。つまり、地球上の人間では滞空時間に殆ど差は生まれないんです。
トランポリンで高いジャンプをしたら?
では「トランポリン」を使ったらどうでしょうか。これなら200cmを跳べる人もたくさん居ます。トップ選手なら400cmは跳ぶので、「1.8秒」ほど滞空時間があります。
しかし実際にやってみると、簡単には行きません。初めての人だと「三重跳び」すらおぼつかないことでしょう。なぜなら、いくら滞空時間が長くてもロープを回せないからです。
高くジャンプをすると「空中バランス」が難しくなります。慣れないうちはまっすぐ跳ぶだけでも大変。更にロープを回すとなれば、しっかりとした練習と時間が必要です。
またロープを早く回す感覚は非常に独特。柔らかいロープを正確に回し切る技術は、一朝一夕で身に付くものじゃありません。
で、十重跳びはできるのか?
以前、宇宙飛行士の若田さんが「12重跳び」を成功させたという話がありました。では重力のある地球上ではどうか。自分が知る限りだと、八重跳びが限界のようです。それもトランポリンを使ってギリギリ1回だけ。着地後はバランスを崩して吹っ飛んでしまうという…。
(※)すみません、動画は既に削除されていました。
自分も挑戦しましたが、地上と同じ六重跳びまでしかできませんでした。それ以上になるとバランスを崩してしまい、うまくロープが操作できないんです。つまりは、ジャンプ力を鍛えるよりも「回し方」や「ロープ」の研究をしたほうが夢の十重跳びに近づけるってこと。
まだ誰も手を付けていない分野なので、興味がある人は「トランポリン縄跳び」の限界に挑戦してみてはどうでしょうか?