こんにちは!
なわとびパフォーマーのまっちゃん(@macchan8130)です。小学校の体育で今でもよく「なわとびカード」が使われています。
あなたも小学校の体育で使った記憶があるのではないでしょうか?
できた技や回数の場所にシールやはんこを貰い、自分で練習を進めていくためのカードです。縄のまっちゃんは、なわとびカードの効果についてずっと研究をしていますが、実は扱い方がとても難しいんですよ。
[toc]なわとびカードの問題点
学習カードとはなにか?
なわとびカードは子どもが自ら進んで学習を進められる「学習カード」のひとつです。
学習カードを効果的に活用することは,一人一人の子どもが,自分に合った明確な課題をもち,自己評価したり,相互評価したりする活動を通して,自ら進んで学習することにつながります。
引用:学習カード 小学校体育
学習カードにもいくつかの種類があって、グループで活用するものや個人でメモとして残していくものなど様々です。
学習カードには,個人カード・グループカード等,様々なパターンがあります。
内容についても 記録や順位を残していくもの ルールやモデルが示してあるもの、めあての振り返りを記入するものなど多様で、教師が単元のねらいに応じて使い分ける必要があります。書く内容を多くすると、運動量の確保が難しくなってしまうことがあるので、発達段階に応じて短時間で行えるように工夫しましょう。
なわとびカードの仕組みとは
なわとびカードの多くは以下のような仕組みになっています。
- 回数を自分で数える
- 課題が徐々に難しくなる
- 途中で失敗したらやり直し
子ども自身で課題が理解しやすく、しかも成功失敗が明確なので記録も取りやすい。一見するとよくできた仕組みに思えます。
しかし、最後の途中で失敗したらやり直しが子供の意欲を破壊していくんです。
なわとびカードの構造的な問題点
途中で失敗したらやり直し、というのは非常にシビアです。
「前とび10回跳んだらクリア」という課題があったとしましょう。もし9回しか跳べなければやり直しです。8回でもやり直しです。失敗せずに跳び切る課題というのは、じつは非常位ストレスフルなんです。
上手な児童でも例外じゃありません。
はじめは得意な跳び方で調子よく進みますが、少しずつ難しい課題になります。「交差跳び10回連続」や「二重跳び連続20回」という課題だと、クリアできる児童もどんどん減っていますよね。
そう、
失敗したら終わりのルールは少しずつ子どもをふるい落として、ヤル気を破壊していく構造になっているのです。
子どものヤル気をキープする方法
人は自分の努力や積み重ねが正当に評価されてほしいと考えます。練習した時間や回数が、無駄なくキチンと結果に現れてほしいのです。
なわとびカードの途中で失敗したら終わりルールは、この点で努力や回数が正当に評価されにくいです。50回を目標で45回で失敗したら0から再スタートです。何回挑戦しても50回をクリアできなければ、挑戦した回数はすべて無意味になってしまいます。
そうではなく、
積み重ねた回数や練習が記録として残るなわとびカードが必要です。失敗してもキチンと評価されると理解できれば、子供の意欲をキープすることができるのです。
練習がキチンと記録されて、正当に評価されること
なわとびカードの目的はなにか?
縄跳びの授業で技術指導をせず、なわとびカードを渡して自主練習のみという授業が一昔前までは横行していました。今でこそ減ってきましたが、まだこうした「カードありの指導なし」という授業が残っています。
なわとびカードの目的は自主的な練習を促し、反復練習を促すことです。
この記事ではなわとびカードの構造的な問題点を分析しましたが、仕組みを工夫すれば自主的な練習を促す素晴らしい教材となります。ぜひ現場の先生方には、子供の実態に合わせた学習カード(なわとびカード)の作成をお願いできればと思います。
この記事が参考になれば幸いです。