なわとびパフォーマーの仕事論

始めるのに遅すぎるはない…のウソ。「遅い」を受け入れてこそ人は頑張れる。

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こんにちはー。 縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

あなたは、何か新しいことに挑戦していますか?胸を張ってYESといえる人は、この記事はあまり役に立たないかもしれません。

何かを始めるときに頭をよぎるのは「年齢」です。縄跳びパフォーマーという体を動かす仕事ゆえ、年齢と体力低下の事実から逃げることはできません。

よく「始めるのに遅すぎることはない!」というフレーズを耳にします。たしかに気持ちさえあればいつでも始められそうです。

しかし、遅いコトはあります。

例えば自分も、シルクドソレイユでキャラクターになりたい夢を追いかけ、必死にバク転の練習をしました。しかしディレクターからは「年齢的に新しいアクロバットを習得するのは止めたほうが良い」と諭されました。

自分はキレイ事でこの事実を目をつぶるより、真剣に捉えて向き合う方が良いと思うのです。

25歳じゃ遅すぎる。を身をもって痛感

身体を使うことは、どうしても年齢や体力の問題が付きまといます。

サーカスの場合、アクロバットの基本となる身体の動かし方があります。倒立や宙返り、そして空中感覚。これらの技能は20歳を超えてから習得するのは難しいと言います。

どうしてもこれらの技能にはゴールデンエイジが存在するんですよ。当時、自分はこの事実に納得できませんでした。25歳からアクロバットの練習を始めました。

しかし現実は残酷なもので、宙返りの1回捻りを習得するのに1年も掛かりました。毎日練習して、必死に練習して、結果がコレです。キャラクターに必要なレベルとの、途方も無いレベルの差を叩きつけられたんです。

遅れた、という状況を受け入れる

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遅すぎることはありません、のフレーズは行動を起こす優しい言葉ではあります。しかし、事実から目を背け続けるのはオススメできません。

年齢的なもの、周囲の環境、これらを考えた「ベストなタイミング」はあるものです。もしそのタイミングが今なら、脇目も振れず突き進めばいい。

でももしタイミングを逃したと感じたなら、まずは遅れている事実に対して面と向かうこと。そして、あなたが置かれている状況を正しく理解してください。

遅れている事実をシッカリ認識したとき、人は必死に遅れた分を取り戻そうと頑張れると思うのです。

やらない後悔より、期限付きの無謀

どう考えても無謀なとき。でもどうしても諦められない。

それなら挑戦してください。やらずに後悔するより、やって後悔するほうが前を向けるからです。

ただし、期限付きで。

頭で無謀と解釈しても、ホントに無理なのかはやってみないと分かりません。しかしダラダラと惰性で続けるのは良くないので、期間を決めてから取り組みます。

自分はアクロバットの練習は2年と期限を付けて練習に取り組みました。結果1年経過してもほどんど成長できず、怪我によって2年目を終えてしまうことに。

でも、あの日々は楽しかった。1mmずつでも進歩を実感して、ショーの間に汗を流して宙返りをしてたんです。

たしかに無謀でした。無茶でした。しかしやってみて初めて絶望的なレベルの差を痛感し、期限を過ぎたとき潔く夢を諦めることができたのです。

おわりに

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変化するには行動を起こすのが大切です。

ただ、行動を起こせ!自分で動き出せ!!と言ってもどこに向かうか分かりません。

たしかに行動を起こすことが重要です。しかし、物事には始めるベストなタイミングがあります。タイミングを逃せば、不利な状況を強いられることを受け入れなければいけません。

不利な状況は、あくまで「不利」なだけです。遅れた分をどうやって取り返すかを考えれば逆転は可能。

耳さわりの良い言葉は少しだけ心を癒やしてくれます。が、目の前の現実に向かう時はちょっとだけシビアに「遅れたコト」を受け止める必要があると思うのです。