こんにちはー。縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。
シルクドソレイユに出演していた頃は、いつも1600人の前でショーをしていました。
たまに「ステージに立ってて緊張しない?」と質問されます。人前で演技するなんてすごいなぁって。
1600人の歓声と圧力は半端じゃありません。満席の状態で拍手が起これば大音量のはずの音楽が聞こえない程なんですから。もうねビックリするぐらい緊張しますよ!!いま考えても1600人の前に毎晩立っていたとか驚きです。
これは自分に限ったことじゃなくて、他のアーティストも個人差はあれみんな緊張していたはず。観客の視線が集まる緊張の中、命がけの技をやるんですから、もう正気の沙汰じゃありません。
今回は1600人という大勢の前に立つとき、我々シルクドソレイユのアーティストが使っていた緊張を緩めるテクニックを紹介します。
人前の立つためのフル装備を知る
シルクドソレイユのステージに立つときは衣装とメイクをしてフル装備の状態で立ちます。
まずこれが大きなポイント。人前に立つための外側の装備を万全にするんです。
自分たちも素の状態で1600人に注目されたら何もできません。でも衣装とメイク、縄のまっちゃんの場合は縄跳びを手に持っていることで「人前に立つ防具」になるんです。
クラウンの師匠であるBaltoも似たことを言っていました。
「クラウンの赤鼻は、クラウンになるためのスイッチであると同時に羞恥心を隠す場所になる。」
「不思議とどんな人でも赤鼻を付けた瞬間から恥かしさを吹き飛ばすことができる」
赤鼻を付けた瞬間、クラウンはクラウンになります。恥かしさを赤鼻の内側に隠せるんです。
勝負パンツやネクタイという願掛けにも近いですが、人前に立つときに「羞恥心」を守ってくれる防具を見つけるのは有効です。
別の誰か、キャラクターを憑依させる
人前に出るときに「誰かを憑依させるイメージ」のはオススメ。シルク時代の客整数は1600。1000人超えのステージでショーをするのに個の状態で立つのは厳しい。もはや正気の沙汰じゃない。誰かを憑依させるイメージで人前に立てれば、個人を隠すことができて恥かしさが軽減される。
— 縄のまっちゃん(粕尾将一) (@macchan8130) 2016年5月10日
他にも自身の中に別の誰かを憑依させる方法があります。
自分は「縄のまっちゃん」というキャラクターを使っています。彼は粕尾将一の一部ではあります。しかし粕尾将一の全てではなく、なわとび大好き!子供と遊ぶの大好き!!なパフォーマーの部分を凝縮して抽出したような別人格の人物。
彼のキャラクターを内側から呼び出して憑依させるることで、人前で堂々と縄跳びのパフォーマンスができるんです。
いまでは縄跳びを持った瞬間に彼が出てきてパフォーマンスをしてしまうほど自然になってます。でも初めのうちは「縄のまっちゃん」を呼び出すために身体と心の準備運動をしていたんです。
写真提供:NPO法人Dance Association Seeds
写真撮影:第二映像企画
※ステージで縄のまっちゃんが憑依した状態
たとえば人前でプレゼンをする機会があるとします。あなたのイメージするプレゼンの上手な人物像はどんな人ですか?もし実在の人物がいればその人をイメージするんです。
人物像がイメージできたらその人のを詳しく調べます。
- どんなふうに喋るのか? → 声がデカい
- どんな服装をしてるのか? → オレンジが好き
- 好きなことは何なのか? → イジルこと
- 嫌いなことは何なのか? → 黙ってる空気
- 普段はどんなリアクションを取るのか? → リアクションがデカい
こうやって細かく見ていくと、イメージ像の人物がより具体性をましてきますよね。
あとはこの人になり切って演じるだけです。リアクションや受け答えも、あなた個人ではなくイメージ像の人物がどう反応するか?で反応します。
こうしてみると、全然違うところからやってきた別人格としての「キャラクター」に見えますよね?でも実はあなたの中に眠っている一側面を発掘しただけなんです。別の表現をすれば、性格や性質の一部を増幅させた状態です。
シルクドソレイユでもステージ上ではキャラクターになれ!と教えられてきました。
1600人でも通用するぐらいキャラクターを創り上げるのは有効なんです。
まとめ
いかがでしたか?
「羞恥心を守る防具」と「キャラクターを憑依させる」の二つは、ステージやパフォーマンス以外にも人前に立つ場面で応用できます。
かの有名な横山やすしさんは日常的に「芸人:横山やすし」を演じていたと言います。
ぜひあなたも人前で緊張を和らげるときの方法として活用してみてください。