こんにちはー。縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。
膝が痛いだけで、日々は憂うつだ。
階段を上ると痛い、走ると痛い、歩いても痛い、寝起きの朝だって、やっぱり痛い。
自分はおそらく世界でもトップクラスに膝を酷使している。日々のショーは週に10回。
演技中は3重とびとか4重とびを連続で跳んで、負担のかかる動きがてんこ盛り。
しかも過去に2度の大怪我と手術を経験して、ACL(前十字靭帯)断裂、半月板断裂、加えて内側靭帯も削れていたようで、右膝はもうボロボロだ。
つい半年前に半月板の手術をする前は、毎日が膝の痛みとの戦いだった。
一般的に、「膝に痛みが出たらスポーツを休止しろ」とか「一時的に運動を控える」みたいな話を聞くけど、スポーツの現場で運動を控えるだけが得策だろうか??
もちろん怪我を悪化させるほどの無理はしちゃいけない。でも痛みを抱えながらも、上手に付き合っていくほうが重要じゃないだろうか。「膝が痛い、じゃ休む」というのは賢いやり方じゃない。積極的に怪我と付き合ってほしい。
そこで今回は自分の失敗と経験を踏まえ、スポーツに取り組む中で膝を痛めてしまったすべての人に、痛みと上手に付き合う方法を紹介したい。
[toc]…ちょっとその前に!!
膝の痛みには、時として手術が必要なものもある。
膝部分に障害がある場合
膝周辺の筋肉や靭帯の障害
二次的な痛みの症状
使いすぎで生じる膝の痛み
「手術が必要か?」ってのを、まず第一に確認。
今回紹介するのはあくまで、予防と対策。手術が必要な状態なのに放置したり、無理なトレーニングで悪化させてはいけない。
突発的に膝を痛めた場合は内部損傷をしている可能性があるので注意しよう。ここで判断基準になるのが、「膝が腫れてるか?」だ。
膝が明らかに腫れていたら、迷わず医者に行こう。腫れている=内部組織が損傷して出血している証拠だ。
これ以外にも、「膝がガクガクする、外れるような感覚がして激痛がする」なーんて場合は、おとなしく病院へ。靭帯とか半月板損傷をしてたら、すぐに専門医の指示を仰ごう。
その1:伸ばすだけじゃ足りない。マッサージもやろう。
当たり前の話だけど、運動前にはきちんと準備運動をしなきゃいけない。よく筋肉と靭帯は「ゴム」に例えられる。
身体が冷えた状態だと筋肉や靭帯も動きにくく、ちょっとしたことで切れたり損傷したり。でも十分に温まっていれば、柔軟に伸び縮みして簡単には傷つかない。
ジャンパー膝の場合、太もも周辺の筋肉を入念にほぐそう。よく勧められるのが「太ももの前面」で、こんなストレッチが良い。
出典:膝の痛みの原因 〜 『膝蓋腱炎(ジャンパーズニー)』について
ただ、ストレッチもしないよりはイイが、マッサージも一緒にやってほしい。
膝周辺でも外側の筋肉を入念に。
これはシルクドソレイユで教えてもらった方法で、ジャンパー膝の痛みの場合、太ももの前面というよりは外側面をほぐすといいという。
筋肉の名前で言うと、大腿四頭筋ってやつ。写真を見てもらうと直接、膝のお皿に繋がっているのがわかる。この筋肉は太ももの前面についているように見えるが、実は半円のように太ももを囲んでいる。だから前面だけじゃなく、側面も一緒にもみほぐしてあげると効果が高い。
そうそう、日本ではまだ売っていないのが残念だけど、個人的に愛用しているのがこれ。
(※)2016年から日本で販売し始めました❢❢
Tiger Taleって道具で、中央の黒い部分が回転してマッサージが簡単にできる。膝だけじゃなくて腰とかふくらはぎにも使えて便利。
ジャンパー膝の原因は「筋肉の異常な引っ張り」だ。固い筋肉を柔らかくしてあげてから、本格的な運動に入ろう。
その2:ケツで着地しろ!!
膝に最も負担がかかるのは着地の瞬間。走るにしても、ジャンプするにしても、着地の瞬間が重要。
ではこの着地をどうするか、
ケツ着地を習得するのだ。
何も「しりもち」を付けと言っているのではない、太ももの裏側全体~おしりの筋肉を使った着地姿勢を掴むのである。
出典:膝の痛みに、正しいスクワットが効果的です。 : ビーズニュース(beadsnews!)
このためには「スクワット」の姿勢が参考になる。写真にあるほどは深くしゃがみ込む必要はないが、「背中」~「腰」に掛けての形を意識してほしい。この姿勢は人間が一番衝撃に強い姿勢だという。
つまり一番衝撃に来る着地の時に、「最強の姿勢」で臨むのだ。
反対に最悪なのが「背中」~「腰」にかけて丸まった姿勢。ようは猫背の状態だ。これは腰にも負担がかかるし、太ももの前面にある筋肉をガッツリ使ってしまう。
するとどうなるか、使われた太もも前面の筋肉は固くなり、ジャンパー膝の痛み悪化…ということになる。
骨盤から背中にかけてのアーチ、「太ももの裏側」~「ケツ」にかけての筋肉で着地してる!!この感触を覚えよう。
その3:クールダウンを忘れずに
運動が終わった後、忘れられがちなのは「クールダウン」だ。
身体に溜まった乳酸を取り除くだけでなく、負担のかかった部位に血流を戻し回復を早める効果もある。ってことで膝の痛みがあるならクールダウンを忘れてはいけない。
クールダウンは一般的に「ストレッチ」とか「マッサージ」が良いと言われる。でもどうしても面倒くさい人は、4~5分だけその辺を歩き回るだけでもいい。
歩くだけでも循環は促されるし、いきなり止まるよりは全然いい。
また痛みが激しい場合は「アイシング」も効果がある。痛みのある部分を氷を使って「物理的」に冷やすのだ。ただ、湿布や冷感スプレーは全くの無意味なので注意しよう。あれらは患部の炎症を抑える働きがあるが、アイシングの効果はない。冷たく感じるだけだ。
その4:予防のためのエクササイズ
「その2」でも紹介した通り、スクワットの着地は最強の姿勢だ。そこでこのスクワットで使う筋肉を刺激、補強することで膝の痛みを予防することができる。
筋肉トレーニングは「鍛える」「太くする」だけが目的じゃない。目的の筋肉を正しく使うための練習という意味もある。
膝の痛みの場合は悪い姿勢での着地が主な原因なので、筋肉トレーニングを通じて補強と正しい使い方を学ぼう。
まずオススメなのがヒップエクステンションというエクササイズ。
お尻を鍛える(ヒップエクステンション他)/短時間・パンプアップトレーニング – YouTube
これは自分も毎日やっている。10回x3セット。時間にして5分足らず。
○シングルレッグ・スクワット
これも同じく毎日やってるやつ。バーベルを担ぐ必要はないので、自分の体重でやろう。どこかに掴まりながらやってもOK。
このエクササイズのポイントは「膝の上にもう片方の足を乗せること」だ。スクワットはやり方を間違えると膝を反対に痛めてしまうが、このやり方なら安全に、しかも十分な負荷を与えることができる。
その5:膝サポーターで動きをフォローする
エクササイズやケアは、日々繰り返すことで徐々に効果が出る。残念ながら今日やったから明日から痛みが消える…というワケにはいかない。
そんな時は膝サポーター
※シルクドソレイユで使っていたサポーター
ただしスポーツは関節に大きな負担がかかるので、加齢による膝痛用ではなく下記のようなシッカリとしたものを選ばないと意味が無い。
さいごに
膝の痛みはシンドイ。自分も長年付き合っているのでよーーく分かる。
いきなり痛みをゼロにはできないかもしれないが、日々のちょっとだけ手を掛けてあげるだけでも格段に痛みは変わってくる。自分も未だに痛むことはある。でも過去に感じたような激痛や歩けないほどの痛みはない。
でもビクビクしてるだけじゃダメだ。きちんと正しい知識を得て、痛みに耐えるだけじゃなく、あなたにも膝の痛みと上手に付き合い、思いっきり身体を動かしてほしい。
大丈夫、やり方を間違えなければちゃんと膝の痛みは消えていくから。