ヒザの痛みと怪我

怪我しても冷やしちゃダメ!!炎症を抑えると回復が遅れる驚きの新事実

スポーツに怪我はつきもの。
日常生活でも不意に転んだり、踏み外したり…怪我をする可能性は誰にでもある。

これまで怪我をしてしまった時の常識は「氷で冷やすこと」だった。
ご存じの方も多いと思うRICE。怪我をした時の応急処置は「Rest(休息) Ice(冷やす) Compress(圧迫) Elevation(挙上)」の4つ。この中にもしっかり「ICE(冷やす)」が入ってる。

だが、常識は日々変化する。
このスポーツ界の慣習を覆すような記事を見つけた。

http://athleticmedicine.wordpress.com/2014/04/04/rice-the-end-of-an-ice-age/
(※原文 英語)

冷やすのは怪我の治りを遅らせる

記事によれば冷やすことに怪我の回復を早める科学的な根拠はないと言う。
そればかりか、患部を冷やしすぎることで怪我の治りを遅らせ、周辺の力強さやスピード、更に持久性までも低下させる恐れがあるという。場合によってはコーディネーション能力も低下するという。

我々が怪我をした時、患部は腫れ上がって炎症を起こす。そして痛みを伴う。
患部を冷やすことはこの「炎症」や「痛み」を抑えるのには効果がある。しかし実は炎症を抑えてしまうのが治癒を遅らせる原因なのだ。怪我をした箇所は炎症を起こすことで傷ついた組織や細胞を修復を助ける。だが冷やすことで血流量を抑え、さらに炎症を抑えてしまい、結果として回復が遅れてしまう。

冷やす以外にも治りを遅らせる要因が!

怪我を治すためには炎症をおこすことが必要だ。
ちなみにこの「炎症」という現象は一種の免疫反応。冷やす以外にも免疫反応を遅らせる行為は炎症を抑えるため、同様に怪我の治りを遅らせるという。以下原文とその翻訳。

cortisone-type drugs,
→ コルチゾンという薬(副腎皮質系の炎症を抑える薬)

almost all pain-relieving medicines, such as non-steroidal anti-inflammatory drugs like ibuprofen (Pharmaceuticals, 2010;3(5)),
→ ほぼすべての痛み止め薬、非ステロイド性抗炎症薬、消炎鎮痛剤、たとえばイブプロフェン(※頭痛薬で有名なイヴ)

immune suppressants that are often used to treat arthritis, cancer or psoriasis,
→ 免疫を抑える薬、一般に関節痛やガンに処方される

applying cold packs or ice, and
anything else that blocks the immune response to injury.
→ アイスパックや氷など、怪我に対する免疫反応を抑えてしまう行為

おすすめの応急処置は?

では冷やすことは完全にダメかといえばそうではない。痛みを抑えるという意味では有効なのだ。あまり長い期間冷やし続けるのが良くないのだという。この記事で推奨されている応急処置が以下のとおり。

1. スグに運動を止める
2. 意識を失うなど緊急性のある場合は救急車
3. 患部を清潔にして、可能なら心臓より高い位置に挙げる。骨折がなど動かして痛みが増す場合はそのままで。
4. 医者に行ってリハビリを

んでもって、冷やす行為は最大で10分までにしよう。10分冷やしたら20分外してというのを1-2回繰り返す。

そして怪我から6時間以降は冷やしてはいけない。

まとめ

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一昔前、運動中に水を飲むのは良くないと言われていた。
しかし現在は脱水症や熱中症予防のために水分を取ることようにと180度方針が変わった。
また先日膝に新しい靭帯が発見され、これほど世界中が研究しているのに今更?!と話題になった。

悲しいかな、スポーツ関係者には古い慣習に囚われ、自分のやり方を押し付けてしまうことがある。

スポーツに限らず科学は日々変化し常識も変わっていく。
古くなりつつある自分自身への自戒の意味も込めて、
新しい情報にもアンテナを伸ばしていこうと思う。

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2013年11月24日