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  • 運動好きじゃなくていい。ただ、息子には「運動嫌い」なって欲しくない。

    運動好きじゃなくていい。ただ、息子には「運動嫌い」なって欲しくない。

    こんにちはー。
    縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

    早いモノで息子が2歳になりました。

    自分は子どもに運動が好きになってほしいと願っています。自身が運動が大好きですからね。でもこの思いはときに暴走して、かえって子どもに悪影響を及ぼすのでは?と考えています。

    そこで今回は「運動を好きにさせる!」ではなく「運動を嫌いにさせないため」に心がけていることを紹介します。

    1.無理にやらせない

    親は勝手なもので、子どもがこんな運動が出来たらいいなぁ…と期待をかけてしまうものです。でも無理にやらせるのは完全な逆効果です。

    これで一つ失敗したことがあります。今年に入ってから、ディズニーのウォーターパークに行くようになりました。深く考えずに息子を小さい子用のスライダーに連れて行ったんですが、もうスゴイ拒絶反応。普段から公園の滑り台は大好きだし、これも一緒だよ!と聞かせても関係なし。一回やれば楽しいのが分かるかも?と思って、半ば強引に滑らせてみたんです。

    ここから、息子はスライダーが恐怖になってしまいました。

    彼よりも小さい子が楽しそうに滑っているのを脇目に、二度とスライダーに近寄ろうとしません。これは自分たちが間違っていました。大人目線で楽しそうと妄想しても、息子にとっては別問題。本人が怖がること、嫌がることを強引にやらせても百害あって一利なしだと痛感しました。

    これ以降、運動を無理にやらせるのは一切止めました。そのかわり「これならできるかも…」と本人が思える環境を準備するように心掛けています。

    2.大人の正解を押し付けない

    大人にとって、子どもにやらせたい動きがあります。たとえば縄跳び。前とびを上手に跳べたら、親としてなんだか嬉しいですよね。

    でもこれは子どもへの押し付けなんです。そもそも運動に正解なんてあるんでしょうか。この動きが正しくて、この動きが間違っている。こんなものは「スポーツ」や大人の知識を前提に示しているだけのこと。子どもにとって、自由に動いた結果はすべて正解です。

    跳ねたければ跳ねる。踊りたければ踊る。今は「イカ大王体操第二」にハマっていますが、左右の動きが反対とかどうでもいいんです。

    本人が動きたいように動く。この前提を忘れず「こんな動きもあるよ!」と隣で大人が動いていればいい。本人に興味があれば真似してきます。興味が無ければ真似しません。興味が無いことを無理矢理やらせても、反発されるだけでなにも上達しません。むしろ押し付けた動きが嫌いになるだけ。

    興味を持って真似してきたら、大人も一緒になってやる。そうすれば子どもはドンドン新しい動きを習得していきますよ!

    何でもほめて一緒に笑う!

    最後にいつも心がけているのが、どんなことも成功したら「思いっきり褒めて笑う」です。もう子どもが笑い出すぐらい大げさに褒めます。

    大学院時代に「褒める」が子どもの意欲を向上させる重要な要因だと勉強しました。これは2歳児でも同じこと。彼らは大人が注意を向けてくれるのを待っているんです。一緒に成功を喜んでくれる「誰か」を常に求めているんです。

    運動がどうこう以前に、子どもに注意を向けられる事が大切なのかなと感じています。

    ◆関連記事:子どもの運動神経を伸ばすには「危険を見守る姿勢」が必要だと思う|なわとび1本で何でもできるのだ

    おわりに

    http://www.flickr.com/photos/37018028@N00/380005234
    photo by allspice1

    自身が運動が好きだからこそ、子どもに運動が好きになってほしい。この思いは今も変わりません。でも運動を好きになるか・ならないかは本人が決めることなんですよね。親や周囲がとやかく言っても、向き不向きがあります。

    ならば得意じゃなくてもいい。でも運動を拒絶・嫌悪するようになってほしくないんです。実際にボールを蹴らなくてもサッカーが好き、上手じゃなくても週末にテニスをするのが好き。そんな人になって欲しいんです。

    だからこそ「運動を好きにさせる」じゃなく「運動を嫌いにならない」ように子供と関わっています。

  • シルクドソレイユの縄跳びアクト変遷を分析して、次に「求められる人材」を考えてみた

    シルクドソレイユの縄跳びアクト変遷を分析して、次に「求められる人材」を考えてみた

    こんにちはー。
    縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

    シルクドソレイユで縄跳びアクトが誕生してから、来年20年が経ちます。

    縄跳びは伝統サーカスでも古くから使われた演目で、シルクドソレイユでは1996年に創作された「キダム*1」で初めてアクトが誕生しました。

    キダム以降、ドラリオン、そしてラヌーバと縄跳びアクトが順番に誕生しています。今回はこれらの縄跳びアクトの変遷と背景を推察しながら、次にシルクドソレイユが求める人材について考えてみたいと思います。

    ※あくまで粕尾将一の個人的な見解です。あしからず。

    キダム:総合商社

    Skipping QUIDAM – YouTube

    キダムは縄跳びアクトの総合商社です。ダブルダッチあり、単縄あり、長縄あり、チャイホ以外ほぼ全てのジャンルがあると言っても過言じゃありません。さらにNORIさん*2の力でダブルダッチのレベルが飛躍的に上がり、常にアクトの可能性を押し拡げ続けてきました。

    キダムのアクトの特徴は、ソリスト以外にも縄跳びアーティストが居ること。パンフレットを見ると分かるんですが、ソリストの2名以外にも「出演演目:Skipping Ropes」と書かれたアーティストが沢山います。

    縄跳びアクトが出演演目に入るということは、アクトの専門家であることを意味します。つまり、ここは責任が発生するんです。これは結構重要なことで、後に説明するラヌーバとの大きな違いです。

    ドラリオン:伝統回帰

    Skipping Ropes. Cirque du Soleil, Dralion – YouTube

    1999年に開演した「ドラリオン」は、キダムとは全く毛色の違う縄跳びアクトでした。これは伝統サーカスで頻繁に見られる大縄の中でアクロバットをするスタイルです。

    よって厳密に言えば縄跳びアーティストが居ません。みんな他の専門アクトがあり、垣根を超えてメンバーが集結し演技をしている。よって縄跳びに特化した技術や知識がある人はいません。というか、ここに「縄跳び専門」は必要ないんですよ。それでも成り立ち、完結しているサーカス縄跳びの典型例です。

    ザイア:複合キャラクター

    ‫حصري ومن رفعي A tribute to Zaia by Cirque Du Soleil‬‎ – YouTube

    こちらは知らない人が多いと思いますが、2008年に開演したマカオの常設ショー「ザイア」にも縄跳びがありました。映像の3’00頃に出てくるので、瞬き厳禁です!!

    出演していたのは、以前一緒にラヌーバで演技をした「Thomas」です。彼は縄跳びを使うキャラクターとしてザイアに出演していました。しかしザイアに縄跳びアクトはありません。Thomasはあくまでキャラクターとして縄跳びをするのみ。また縄跳び以外にも様々な役割があり、縄跳びだけに特化した演技はほとんどありませんでした。

    厳密にいうと縄跳びアクトとは少しズレますが、一つの方向性として挙げておきます。

    ラヌーバ:ソロの挑戦

    La Nouba – Summary video – YouTube

    自分が出演しているラヌーバです。2010年から縄跳びアクトがショーに加わりました。

    ラヌーバの縄跳びアクトにはソリストが2名。ぱっと見はキダムの演目と似ていますよね。でも大きく違うのが「出演演目:Skipping Ropes」なのはソリストの2名だけ。他のアーティストはあくまで「手伝っている」立場なんですよね。

    よってキダムのように定期的な練習はありません。またアクトへの責任もキダムとは違ってきます。

    ダブルダッチの新しい風

    Cirque du Soleil ALLAVITA! – YouTube

    新しくダブルダッチという風穴を開けたカプリオール。彼らが新しい風をシルクドソレイユに持ち込んできました。

    ◆参考記事
    業界常識の壁をぶち破れ!「カプリオール」がシルクドソレイユの門前払いをこじ開けた|なわとび1本で何でもできるのだ

    これは一つの大きな流れで、これまでソリスト=単縄の人ばかりが抜擢されてきた歴史を覆しました。

    またダブルダッチが入ったのには、もう一つ大きな歴史的な意味があります。それはアクトに出ているのが全て「専門家」であること。キダムもラヌーバも、縄跳び以外の専門を持つアーティストの力を借りて構成されていました。しかしダブルダッチではカプリオールの演技だけで完結する。周囲に参加しているアーティストもいますが、主としてロープに関わらず、技術的な負担がないのです。

    次に何が来るか?

    さて、こんな感じでシルクドソレイユでこれまで扱ってきた縄跳びアクトを列挙してきました。では将来的に、どのようなアクトと人材が求められるでしょうか。これまでの歴史を踏まえて推理してみたいと思います。

    アクトに関わる人数で見る変遷

    まずアクトにメインで関わるメンバーの変遷を追ってみましょう。

    • キダム:ソリスト2名、他にも10名弱のアーティスト
    • ドラリオン:専門のアーティストゼロ
    • ラヌーバ:ソリスト2名、他のアーティストは「補助」関与
    • ダブルダッチ:カプリオールが出演したショーでは5名

    ここで注目したいのは「メイン」としてアクトに関与しているアーティストの人数。というのも、責任には経費が掛かることを意味するからです。メインとして出演アーティストが多ければ多いほど、アクトに必要な経費が増えていきます。

    この中で一番メインが少ないのは「ドラリオン」。ここではソリストを置かないで演技をする方式だったからです。次に少ないのがラヌーバ。キダムと同じ形式に見えますが、メインとして出演している人数は厳密には2名のみです。そしてキダム、ダブルダッチの順に人数が増えていきます。

    これを整理すると、

    ドラリオン < ラヌーバ < キダム < ダブルダッチ

    の順になります。

    アクト同士の影響

    次に考えたいのはアクト同士の影響について。自分はキダムがほぼ全てのアクトに影響を与えていると考えています。

    ラヌーバで縄跳びアクトができたとき、間違いなくキダムの影響を受けて構成されました。唯一キダムと違う点はメインになるアーティストの人数のみ。ここで「他のHouse Tromp*3に全面的な関与をさせず、ソリスト2名でアクトは作れないか?」という試みだったと自分は想像しています。

    この試みが成功したら、縄跳びのソリスト2名だけでアクトが完結できる。いわば「もっともエコな縄跳びアクト」の可能性が生まれたのです。とはいえ、ラヌーバの試みがどのような評価だったかは分かりません。

    次に影響を受けたのはダブルダッチです。ダブルダッチはキダムでも扱われていて、構成上最も盛り上がるパートの一つです。ここから「ダブルダッチに特化したアクトを作ってみてはどうか?」という試みが生まれたと想像できます。5名でのアクトは過去最多人数です。ですが「他のアーティストへの負担が限りなく少ない」という点でメリットがあります。キダムやラヌーバでは、他のアーティストに技術的な負担をしてもらっていますからね…。

    これらをまとめると、

    ○キダム => ラヌーバ
    ソリスト2名だけでアクトができないか?

    ○キダム => ダブルダッチ
    ダブルダッチだけで完結するアクトができないか?

    という変遷があったと推理しています。

    まだ試されていない可能性はどこか?

    結論です。次にシルクドソレイユが試みるであろう可能性がどこにあるかを考えてみます。自分は以下の三つを可能性として予測しています。

    • 単縄の集団
    • ダブルダッチと単縄の複合
    • 完全な個人

    これまでシルクドソレイユでは「縄跳びの専門家だけ」の演技を作ったことがありません。キダムでもラヌーバでもソリストが2名だけでしたからね。ここに来て、ダブルダッチで専門家だけで完結するアクトの可能性が見出されました。この流れから「単縄のアーティストを沢山使った演技もできんじゃね?」と想像されても不思議ではありません。

    ただ集団演技には人数分だけコストがかかります。最大でもカプリオールと同じ5名完結が求められることでしょう。大人数でのシンクロや複合技ができますが、5名でどこまでコスパに答えられるかは未知数です。

    次は単縄とダブルダッチの融合です。これまでも「パワートラック&トランポリン」のように類似したアクトを合体した例がいくつもあります。同じ流れを汲めば「ダブルダッチ」と「単縄」を融合するアイディアは生まれます。

    ここで課題になるのは「いかに融合するか?」に尽きると思います。ダブルダッチ=Japanese Styleがシルク内のスタンダード。このスタンダードと単縄がどのように融合できるか。日本では良くも悪くも、それぞれが独立して発展してきました。ただ一緒のステージに立っているだけではなく、綺麗に溶け合っている状態が求められる。これが大きな課題になると思います。

    三つ目は「ソロ」です。もう完全な個人。コストで言えば最少人数なので、もっともエコな試みです。過去に「ザイア」でキャラクターとして縄跳びをした前例がありますしね。

    ただ、ここに可能性を見出すか・・・?には疑問が残ります。というのも「縄跳び1人」でどれだけ魅せられるかの前例が無いからです。圧倒的な存在感と演技、それこそジャンルの垣根を越えて評価されるような演技が求められます。また「キャラクター」として縄跳びが入るにも、アクティングや表現力、舞台上での存在感など、縄跳びプラスアルファで求められることが沢山。ザイアの例では、Thomasが縄跳び以外にもアクロバットができたからこそ抜擢された、と考えるのが妥当かもしれません。

    おわりに

    http://www.flickr.com/photos/38307206@N02/3542294246
    photo by Search Engine People Blog

    つらつらと分析の流れを書いてきましたが、この分析には「シルクドソレイユが今後も縄跳びアクトを創る」という前提があります。また異種アクト同士の関係性やソロアーティストについての分析も、まだまだ不十分です。

    それでもこうして一つの系統として流れを見ると、ちょっとだけ先を予測する参考になります。圧倒的な才能がある天才や、運よく巡りあわせて成功する人もいるでしょう。こうした人を脇目に指をくわえて見ているのは悔しい。そう思う人にって、相手の思考を探る武器として「分析」が使えます。

    ちなみに、個人的にはダブルダッチと単縄の融合が来てほしいんですよねー。絶対面白いモノが生まれますから。

    ※あくまで粕尾将一の個人的な見解です。あしからず。

    *1:キダム – Wikipedia

    *2:自分の師匠

    *3:大人数アクトに出演するアーティストの事。他のアクト中に別の役割として出演する

  • 誰でも出来ることを、誰もができない次元で魅せる:フリースタイルフットボール世界チャンピオン「ALEG-Re」に学ぶ革新のヒント

    誰でも出来ることを、誰もができない次元で魅せる:フリースタイルフットボール世界チャンピオン「ALEG-Re」に学ぶ革新のヒント

    こんにちはー。
    縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

    Twitterのタイムラインで見たこの記事に深く共感したので紹介します。

    世界大会 SuperBall 2015 で僕たちALEG-Reが魅せてきたのは要約するとまさに「誰でもできることを、誰もができない次元にして魅せる」です。

    自分は実は「シンプルなことが一番難しいのではないか。」という考えをもっています。

    誰でもできる技をしているにもかかわらず、誰もができない次元で魅せる。YOSSHIがやるから、ALEG-Reがやるからかっこいい。という次元にもっていくには、基礎の究極を追い求め続けること。本物であること。が重要になるはずだ。をテーマに何年もやってきました。
    (※)一部中略

    出典:世界一への道のり – 日本創成期からフリースタイルフットボールを牽引するチーム

    この記事を書いているYOSSHI (@7YOSSHI7)さんはフリータイルフットボール*1の2015年世界チャンピオン。実際に優勝された時の映像がこちらです。

    先日もパフォーマーが機械に仕事を奪われるかも?という記事を書きましたが、自分も彼らの持っている「シンプルが一番難しい」という考えに賛成です。

    また「誰でも出来ることを、誰もが出来ない次元で魅せる」というのは、他のジャンルにも通じる有効な考え方なんです。

    ALEG-Reの凄さは音との調和

    自分はフリースタイルフットボールに明るくないため、この機会に同じ大会の二位と三位の演技も見てみました。すると、よりALEG-Reの二人の演技が突出していることがわかります。

    ◆参考映像:
    DOUBLE ROUTINE (2nd Place) – Gautier & Clem (France) :: Super Ball 2015 – YouTube
    DOUBLE ROUTINE (3rd Place) – Brynjar & Erlend (Norway) :: Super Ball 2015 – YouTube

    なにより特徴的なのは、ALEG-Reは演技を音楽に合わせていること。他のチームも音楽こそ流れていますが、ただのBGMなんです。でもALEG-Reは違う。ちゃんと音ハメ*2もしてるし、身体とボールの動きがずーっとリズムと合ってるんです。

    シンブルを昇華させる

    http://www.flickr.com/photos/7471115@N08/4720149735
    photo by Mr.TinDC

    門外漢の自分が想像するに、これはとてつもなく技術の必要なことだと思います。だってボールが自由落下してるのを、音に合わせて制御してるんですから。おそらくALEG-Reのいう「誰でもできること」はこれら技単体。しかし彼らはこれらの技を「振付」に昇華させて「誰にもできない次元」に押し上げたのだと思います。

    この「シンプルだけど難しい」の流れは、間違いなくどのジャンルにも出てきます。それは単に基礎が上手という意味じゃなく、基礎を応用・活用するということ。ALEG-Reの場合は音楽に合わせることで「シンプル」の難しさを突出させていました。

    たとえばダブルダッチでいうとRoyal Double Dutchの流れがこれに入ります。絶対にみんなが回すロープ。そのロープを最大限に魅せる手法を研究しているスタイルは、「誰でもできるけど誰もできない次元で魅せる」に合致します。

    ◆関連記事
    ダブルダッチ次世代の必修科目!!勝ちたければ『Royalメソッド』を抑えておいた方がいい|なわとび1本で何でもできるのだ

    新しい=誰も見たこと無い、とは限らない

    斬新なアイディア、新しい概念というと「誰も見たこと無い」や「世界のどこにもなかった」といった世界初な印象があります。しかし新しい=見たことがないとは限りません。たとえ誰もが見たことある「シンプル」だとしても、いやむしろ皆が知っていることだからこそ、世界に与える衝撃が大きいのです。

    新しいことを求めて遠くばかりを見ている人は、たまには足元に目を落としてみましょう。今あるシンプルを極めることも、素晴らしいオリジナリティの一つだと思います。

    *1:音楽に合わせてリフティング等の技を組み合わせた演技を行う競技

    *2:音のアクセントに動きを合わせること

  • パフォーマーがブログをやめた方がいい理由

    パフォーマーがブログをやめた方がいい理由

    こんにちはー。
    縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

    アスリート系パフォーマーでブログやSNSをやっている人が増えました。SNSも一つではなくTwitter、Facebook、最近ではInstagramですかね?実に色んな場所から発信をしている人を見かけます。

    ただ正直、パフォーマーにはブログをオススメしないなぁと感じています。

    ブログは想像以上に負担が大きい

    一つ目の理由がこれです。ブログを一度でもやったことのある人は分かると思いますが、継続して更新するのって本当に大変です。

    でもどこか頭の中に「1週間更新してない…1ヶ月更新してない…」と謎の(?)罪悪感や焦りが出てくる。重い腰を上げて「いざ更新だ!!」と思っても、更新するのに1時間や2時間といったまとまった時間が必要。

    本当にこれだけの時間を割く価値がブログにはありますか?

    もし広報目的の情報発信として考えるなら、自分はSNSのほうが断然相性が良いと思います。リアルタイムで情報が流せますし、まとまった時間も必要ありません。あなたのことを知りたい人は、形式張った宣伝の文字列より「今の練習風景!」の方が興味あると思うのです。

    更新しないブログを公開しているのはマイナス

    二つ目の理由がこれです。

    たまに「この広告は3ヶ月以上更新していない場合に表示されます」というブログを見かけます。これ、プロとしてマイナスです。

    もしあなたがこういうページを見たらどう思うでしょうか?クライアントやファンは同じことを感じます。そして別のページやYoutubeにあっという間に流れていき、残るのは「この人はもうやってないのかな?」というマイナスイメージだけ。

    こっちも頑張って更新してるんだよ!という意見はクライアントやファンに通じません。彼らが欲しいのは「いま」に繋がる「ちょっとだけ過去」の情報なのです。

    ブログは思ったほど集客できない

    http://www.flickr.com/photos/9106303@N05/2706578104
    photo by Mike Licht, NotionsCapital.com

    悲しいですがこれは事実です。たしかに世の中には一日に数万人もの訪問者がある有名ブログもあります。でも大部分の人は一日に100人だって大変です。

    しかも、訪問者数を伸ばすのは、すっっっげーーーー大変。毎日更新は当たり前、まずは記事数100本がスタートラインです。ここから「バズ*1」やら「SEO*2」やら「文体*3」を考えて…。こういう地味な研究と努力を重ねられた人が、やっとブログを情報発信源として活用できるんです。

    マジでブログ自体に興味があって、文章を書くのが好きだ!大好きだ!!という人は良いでしょう。しかし「ブログも発信源として活用したいなぁ…」ぐらいだと、掛ける労力が採算に合わないです。

    目的に合わせた発信方法を

    ブログに限らず、他のSNSも真剣に集客力を高めようとすると大変です。しかしよく見てみると、人気のある人は自身の陣地を知っているんです。Twitterが本拠地の人はTwitterから広げていく。軸がブログにある人はブログから。共通しているのは「どれもそれなりに…」という人は、集客がしにくいということ。

    それぞれに合った発信方があるはずです。自分は長文を書くのが好きで、リアルタイムに情報発信するのが苦手なのでブログにしました。

    またSNSによって若干ですがユーザー層も違います。TwitterとFacebookのどちらのユーザー層が狙う客層かを考えて発信するも作戦です。

    義務感でいくつものSNSやブログで発信しているパフォーマーは、定期的に発信源の断捨離を考えると良いと思います。

    *1:SNS上で爆発的にシェアされること

    *2:検索エンジン最適化のこと。検索時、ページが上位に表示されるとアクセスが増える

    *3:文章のその人らしさ、個性のこと

  • 半月板損傷手術から術後2年が経過。再受傷防止のため注意している事をまとめます。

    半月板損傷手術から術後2年が経過。再受傷防止のため注意している事をまとめます。

    こんにちはー。
    縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

    2013年の5月に半月板損傷で手術を受けました。今年の5月で手術から2年が経ちました。

    半月板手術から全治復帰のために!!手術前にやるべきたった6つのこと|なわとび1本で何でもできるのだ

    半月板損傷手術で知った『アメリカ医療』のシステムが驚きの連続だった|なわとび1本で何でもできるのだ

    あれから一度も痛みや不具合はありません。とはいえ、全身麻酔の内視鏡手術。さすがに手術を受ける前と復帰してしばらくの間は不安でした。縄跳びパフォーマーという仕事ゆえ、再発の危険性もありますからね。

    でも今は不安はゼロ。手術したのが遠い過去のように感じます。そこで今回は、これから半月板損傷の手術をする人、もしくは手術を経て不安がある人向けに、今でも気をつけている事と経過を報告したいと思います。

    再発を防ぐための筋トレ

    リハビリ中は週5日で筋トレをしていました。しんどかったなぁ…。

    しかし実はリハビリが終わった今でも、このエクササイズを週3日で続けています。この「習慣的な筋トレ」がとても重要だと感じています。というのも自分と同じタイミングで半月板損傷をしたアーティストがいたんですが、彼女は復帰して半年で半月板損傷を再び起こしてしまいました。

    彼女はリハビリ後は殆ど筋トレをしていませんでした。その結果、筋肉のバランスが悪いままだったんです。

    筋肉の強く太くなるまで、最低でも3ヶ月は掛かるといいます。残念ながらリハビリ期間だけで不十分。復帰後も定期的な筋トレを続けないと、筋力低下は簡単に元に戻せないんです。

    筋トレといっても、重たいバーベルをガチャガチャする必要はありません。「ハムストリング」や「大臀筋」を鍛えるメニューをフィジオ*1から教えてもらい、一回に3−4つをこなすだけ。

    半月板損傷は全ての膝怪我の始まりといいます。ここから半月板断裂、前十字靭帯断裂、内側靭帯損傷…などなど、より重大な怪我に繋がる恐れがある。早い段階で筋トレを習慣化できれば、こうした重大な怪我を防ぐことにも繋がります。

    関連記事:

    ダブルダッチ・縄跳び競技を本気でするなら、筋トレも知っておいた方が良い|なわとび1本で何でもできるのだ

    これでジャンパー膝の痛みを消せ!今すぐできる膝痛を解消する5つの方法|なわとび1本で何でもできるのだ

    膝のフォームに神経質になった

    自分は膝が過伸展します。簡単に言うと膝が反対側に曲がるんです。

    四肢の過伸展
    【英】Limb Hyperextension
    読み方:ししのかしんてん

    肢が正常限度以上に伸展している状態。

    出典:四肢の過伸展とは – 催奇形性所見用語 Weblio辞書

    少し気持ち悪いだけで、日常生活には支障ありません。しかし運動中に過伸展してしまうと、過剰な圧力が関節にかかり怪我の原因になるんです。さらに自分は反対側だけでなく内側に「x字」にも曲がります。もうこんなの怪我しないほうが不思議なぐらい。

    半月板損傷をする人は関節の柔軟性が必要以上に高い場合が多いです。そこで怪我に繋がる柔軟性を制御する必要があるんです。

    リハビリのとき、一番注意されたのが「関節の動かし方」でした。無意識に動かすと、再受傷のリスクが高いからです。怪我を防ぐ正しいフォームに徐々に矯正して、無意識で動いても「怪我をしにくい動き方」を目指します。

    この矯正を経たいま、ちょっとした関節の動きにも神経質になりました。慣れた動きを変えるのは時間がかかります。が、このちょっとした気配りが再発を防止に繋がります。

    手術を怖がらない!!

    これは強く言いたいです。半月板損傷はしっかり復帰できます。むしろ受傷前よりリハビリで身体が上手に動かせるようになります。

    というか、あなたは遅かれ早かれ怪我をしていました。なぜなら知らずに怪我をしやすい動きをしていた可能性が高いんですから。

    怪我の前に気付ければよかったかもしれません。でも怪我をした事実は変えられません。だったらリハビリで改善しましょう。ちゃんと復帰できますから安心してください。むしろ早いうちに動き方を矯正できた方が、現役でいられる寿命は長くなります。

    おわりに

    怪我をして手術が決まった時、自分は目の前が真っ暗になりました。「本当に治るんだろうか」「元通りにパフォーマンスができるんだろうか」など、不安が一気に押し寄せてきたんです。

    半月板損傷以外にも左肩の靭帯損傷やらジャンパー膝やら・・・まぁ考えれば沢山怪我をしてきました。でも今は元気にステージに立っています。この後もショーで思いっきり縄跳びをしてきます。

    復帰後に意識してきたのは小さなことかもしれません。ただ、こうした小さな積み重ねが、同じ怪我の再発を防いでいるのだと思います。

    *1:シルクドソレイユ専属のアスレティックトレーナー

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  • 目的のズレた達成感が生む「根拠の薄い自信」

    目的のズレた達成感が生む「根拠の薄い自信」

    こんにちはー。
    縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

    ついこの前、ブログのURLを変更しました。これが結構面倒くさくて、丸々1日作業に使ってしまいました。おかげさまでwww.shoichiKasuo.comへ変更が完了。といっても見た目は殆ど変わらないですし、訪問者としてはどっちでもいい事なんですが…。

    さて本題。よく「行動を起こすのが大切」「まずは動いてみる」という話をよく耳にします。たしかに実際にやってみないと分からないことは多い。はてなブログがサブドメインしか使えないとか…。

    今回はこの「とにかく行動しろーー」という風潮で感じていることを。

    行動は達成感を得られる

    なにかをやり遂げたら達成感があります。たとえば分厚い本を読み切るとかも達成感ありますよね。読む度に少しずつにページが減っていき、ある日最後のあとづけに到達する。自分もこの達成感がほしいので、あとづけと著者紹介は絶対に読みます。

    他にも「人に会う」とか「セミナーに参加する」とか行動を起こしてる感じがあります。

    これらはどれも達成感があって、有名人と食事できれば次に繋がるかも?と想像できますし、セミナーで学びと気付きを得たような気がします。

    達成感をどこに感じるか?

    でもこうした達成感は少し注意が必要です。達成感に引っ張られて、目的がズレやすいんです。

    本を読み切る達成感は大切かもしれません。でも読み始めた時の目標はなんでしたか?

    はじめから100冊の読書を目標にする!なら良いかもしれません。でも「新しい知識を得たい」とか「未知の世界を覗きたい」とかを求めていたはずなのに、知らない間に目標がすり替わってしまった場合。これが厄介です。方向性が変わってしまってるのに自覚がないんですよ。

    また人に会うのも同じ。憧れの人に会って何かを学んだり、下世話なところだと人脈を広げたりが目的だったはず。なのに「憧れの人に会った!」ないしは「会ってもらう約束をした!」という段階で目標達成したような錯覚をするんです。

    達成感は心地よい

    達成感は心地良いです。なにかをしてる実感があるし自信が付きます。でもこの自信はちょっと薄い。いわば「根拠の薄い自信」です。

    もちろん根拠の薄い自信が悪いわけじゃなくて、なんなら根拠の無い自信も必要です。大切なのは違いに気付く事だと思うんです。

    若い時は誰しも根拠の無い自信で支えられています。それは残された人生の時間だったり、未来への可能性だったりするのでしょう。でも年齢を重ねるに従い、未来に対して漠然と楽観はできない。どこかに進んでいる実感がほしい。ここで登場するのが根拠の薄い自信です。

    そしていよいよ「自分を信じる」という絶対的な根拠=過去が必要になり、「根拠のある自信」を目指すようになります。

    自信を創るものは何か

    これらの自信の違いは「頭・心・身体」をどれだけ動かしたか?と考えています。

    根拠のない自信はどこからともなく湧き出る泉です。無条件で自分を肯定できるという意味で大切にしたい自信です。

    根拠の薄い自信は「身体」と「心」を動かします。ですが「心」が動くのはプラスの方向ばかり。ただ、一人でできることは限られているので、何かと繋がったという事実が支える自信は必要です。

    根拠のある自信は「心」がプラスとは限りません。挫折で打ちのめされ、マイナスに振り切ることだってあります。また根拠のある自信は「頭」と「身体」を積極的に動かします。この時、結果が望んだものかどうかは大きく関係ありません。

    「頭・心・身体」を、これでもか!!と動かし、突き進んだ先にあるのが「根拠のある自信」だと考えています。

    おわりに

    http://www.flickr.com/photos/53415034@N08/16241388115
    photo by Frederick Homes for Sale

    たまに自慢話ばかりをする人がいますね。自分もそうでしたが、これは根拠の薄い自信に支えられているからです。自信の根拠が本人以外なので、いつも繋ぎ留めていたいという不安が顔を見せてるのだと思います。

    自信の根拠の「有無」や「薄い濃い」は善し悪しではありません。ですが自分を支えている自信はどこから来ているのか?を知っていないと、思わぬ困難にぶつかった時に潰されてしまう。

    ここで助けてくれるのは泉のように湧き出る「根拠のない自信」か、頭・心・身体を総動員した「根拠のある自信」のいずれか。

    根拠のない自信が弱まっている人は、少しずつバランスを変えていったほうが良いかもしれません。

  • パフォーマーの仕事も「機械」によって奪われるか

    パフォーマーの仕事も「機械」によって奪われるか

    こんにちはー。
    縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

    ITと機械の発達で、10年後に仕事が機械にに奪われるという話題があります。

    オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]
    10年後になくなる仕事、残る仕事 あなたの仕事は? :日本経済新聞

    具体的にどんな業種の仕事が奪われると予想されるかは記事に譲ります。ではこの流れで「パフォーマンス」や「サーカス」といった業種はどうなるでしょうか?自分はこれらの業界にも機械化の波は押し寄せ、競合する日が来ると考えています。

    映像技術の革新

    ここ最近、プロジェクションマッピングが流行りましたね。建物や空間に映像を映し出すヤツです。これ、集客力があるんですよね。残念ながらパフォーマーよりあると思います。

    クライアントがパフォーマーに求めているのは「集客力」です。週末商業施設イベント、地域のお祭りでゲスト出演する、このあたりも集客を見込んで呼んでます。

    幸いなことにプロジェクションマッピングは映像制作費用がウン百万とかウン千万とかなので、今はまだ予算的に使えるイベントは限られます。でもコストは時間が経つにつれて安くなっていきます。これが10万ぐらいで創れるようになったらどうでしょうか?間違いなくパフォーマーと競合してきます。

    しかも映像は一度創ってしまえば再生するだけ。今後10年でコストダウンで予算の拮抗が崩れた時、集客力で分が悪いパフォーマーは苦戦を強いられるかもしれません。

    間接的に機械が侵食してくるケースも

    間接的ではありますが、機械との融合パフォーマンスを考えてみましょう。

    とある企業CMで話題になった光る衣装を着て演技をするダンスチームは一気に話題になりました。映像とパフォーマンスの融合で表現する方法は世界中に輸出され、いまでも沢山の演技が生まれています。

    間接的ではありますが、こうした「演出」に機械が入り込んでくる猶予はいくらでもあります。プロジェクションマッピングのように高額でない分、取り入れやすい利点もありますしね。

    すると中の人は見えなくなっていきます。誤解を恐れないで言えば「誰でもいい」んです。顔の見えない状態で演技をしているのは、粕尾さんでも松村さんでもいい。同じ振付と動きさえできる技術があれば、個性は関係ありません。

    ◆関連記事
    パフォーマーは奇を衒(てら)うべきか? – なわとび1本で何でもできるのだ
    『観客』は『人間』に感動する、そうあってほしい – なわとび1本で何でもできるのだ

    これら機械との融合パフォーマンスは、プロジェクションマッピングと生身の身体演技の中間地点にあると言えます。ただ、今後10年で3D技術が進んだらどうなるでしょうか。人間の姿が必要でも、生身である必要はありますか?

    機械とどう向き合うか

    なんだか暗い未来な気がしますね。では今後10年でパフォーマーが仕事を奪われないためには、どうすればいいでしょうか。それには「機械の弱点」と「機械との共存」がカギになると考えています。

    機械の弱点は繰り返しの弱さ

    機械の創り出す壮大な演出は見る人を圧倒します。でも繰り返しに弱い。一度目は大感動です。二度目もまぁ良いとしましょう。けど10回も20回も見るとなると・・・さすがに飽きてきますよね。ここに機械の一つ目の弱点があります。

    人間は厳密に完璧に同じ演技を繰り返すことが出来ません。同じ振付でも動きの細部が無意識や「揺らぎ」で変わっていく。また人間は内省ができます。ここをこうしたい、と試行錯誤ができます。観客には気付かれないかもしれませんが、こうした「細部の意図的な変化」こそが人間にしかできない領域なのです。

    機械は繰り返すのは得意でも、自ら改善や変化ができない。こういう「半永久的に未完の演技」が機械だと創れないのです。観客がこうした変化を無意識に感じることで、同じ演技を繰り返し見たいと感じるのだと思います。

    機械との共存で新たな表現の可能性

    機械に組み込まれ没個性になった演技は好きじゃありません。ですが、人間を前面に出したまま表現の可能性を探ることもできると思うのです。

    照明効果や音響効果は古くから使われている手法です。これらはパフォーマーを引き立たせる目的で使われ、表現の幅を広げてくれます。同じように機械の力を「引き立て」として活用するのは手だと思います。

    おわりに

    http://www.flickr.com/photos/83476873@N00/3946055
    photo by baboon™

    機械に取り込まれ演出の一部になるか、演技の演出として機械を取り入れるか。この二つが今後10年の分かれ目になります。

    前者は映像技術の発展で、人間を締め出していく方向になるでしょう。3D技術が発達すれば、生身の身体と見分けのつかない映像も創れます。

    後者は人間ありきで作られています。人間が居なくなれば存在が消えます。しかし「半永久的に未完の演技」という人間の特権がある以上、機械に仕事を奪われる心配はありません。

    これから10年後、どのようなパフォーマンスが残っているか今から楽しみです。

  • まじか…!?舞台上からどうしても気になってしまう「観客」4選

    まじか…!?舞台上からどうしても気になってしまう「観客」4選

    こんにちは。
    縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

    ショーでは一回ずつ微妙にお客さんのリアクションが違います。「満席で凄いエネルギーだ!」という日もあれば「今回はリアクションが薄いなぁ」という日も。

    するとたまにパプニング的なリアクションをするお客さんが居るんです。今回はステージから見て「おっと…」と笑ってしまった例を紹介します。

    1.黄色い大歓声

    ディズニーワールには毎年7月-8月に大勢の「修学旅行生」が訪問します。自分の出演しているショーにも、恒例行事として数十人単位で観に来てくれる。

    修学旅行生がくると、メーーーーチャメチャ盛り上がります。さらに彼のようなイケメンが登場したら、黄色い歓声がすごすぎて音楽が聞こえないほど。

    f:id:shoichikasuo:20150703220816j:image:w500

    そこは年頃の女の子達なんでしょうね。歓声の上がり方が尋常じゃないんです。こっち向いて〜〜!!結婚して〜〜!!とか・・・演技がどうこうとか、そういう次元で生きていません。目の前に存在するイケメンに対して思いの丈をぶつけまくる事もしばしば。

    イケメンは良いですよね。ズルいです。(嫉妬)

    2.完全に寝ている

    ディズニーワールにくるお客さんは、朝から大忙しです。広いパークはいくつもあり、乗り物に買い物に一日中動き回っている人が殆どではないでしょうか。

    そこにきて、ゆったりとした座席で薄暗い中のショー幕開け。・・・たしかに眠くなるのも仕方ないですよね。

    もちろんショーを楽しんでもらえたら嬉しいのですが、暑い日差しの中を一日中歩き回っていたのを想像するとどこか微笑ましく「どうぞごゆっくり」と笑ってしまいます。

    3.デーモン閣下

    ディズニー・スプリングスには「Face paint」のできるお店があります。

    ◆参考ページ:Face Painting Prices at Downtown Disney

    子どもから大人まで頻繁にペイントをしている人を見かけます。が、たまに客席にもガッツリペイントの人が居るんです。中でも全面白のフェイスペイントだと、演出のブラックライトで浮かび上がってモノ凄い目立ちます。

    あと「光るおもちゃ」はよく目につきます。客席はショー中ほとんど暗いですからね。クルクル回って点滅するやつとか、もう面白いぐらい気になります。

    この手の目立つお客さんはバックステージで話題なるんですよ。なので目立ってアーティストにアピールしたい!という人には良い作戦かもしれません。ただ、あまり大げさにやって周囲への配慮を忘れずに・・・。

    4.犬

    過去に一度だけ「犬」を連れて入ったお客さんが居ました。介助犬や盲導犬といったお手伝いをする「犬」ではありません。普通のペットの犬です。ベビーカーに乗せられて座席に居るに気付いた時は、思わず二度見。

    しかし、公演中は大きな音や照明効果があります。ワンちゃんにとっては少し刺激が強すぎたのかも。オープニングから数分で「ワン!ワン!」と鳴き声が聞こえ始め、20分を過ぎたあたりでご退席頂いていました。

    ディズニーワールドにはペット用休憩施設もあります。ペットと一緒に旅行している人は、ぜひこちらをご利用ください。

    おわりに

    http://www.flickr.com/photos/9422878@N08/9521702805
    photo by Bill Gracey

    舞台に立っている人間からも、観客席はけっこう見えてます。ときに面白いお客さんを見て「クスっ」と笑うことも。

    ショーを見るのに決まりはありません。盛り上がりたければ盛り上がる。ツマラなければ…それなりに。ただ、ショーを創るのは舞台に立っている人間だけではありません。

    観客席と舞台が一体になる瞬間にこそ、ライブショーを見る醍醐味があります。このとき、ショーは観るモノではなく「体験する空間」になるのだと思います。

  • シルクドソレイユのキャスティング(スカウト)に効果的なアピール方法を聞いてきた

    シルクドソレイユのキャスティング(スカウト)に効果的なアピール方法を聞いてきた

    こんにちはー。
    縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

    先日、シルクドソレイユのキャスティング*1と話をする機会を貰いました。シルク内で次のステージを探すのには、まずキャスティングに話をする必要がありますからね。

    8月〜9月の時期は、ちょうど新しいショーの創作が始まるタイミング。つまりキャスティングが一番忙しい時期です。会話中でも、ひっきりなしにメールと電話が鳴っていました。

    毎年数多くのアーティスト候補を発掘し、ショーに送り込むキャスティング。今回はその中の人に、応募でのアピールポイントやコツを聞いてきたので共有したいと思います。

    シルクドソレイユのステージに立ちたい!と思っている人は、ぜひ参考にしてください。

    1.自信が無い他アクトも入れること!

    シルクドソレイユに応募しよう!というぐらいの人なので、専門分野はトップレベルの人が大半です。体操なら体操、ジャグリングならジャグリングと、みんな自信のある演技の映像を率先してキャスティングに送ってくるといいます。

    でもそこは、自信の有無に関係なく全て送りましょう。どんなポジションが生まれるかは誰にも分かりません。なのでキャスティングも判断材料が多いほうが選びやすいと言います。

    またシルクはアーティストを育てるシステムが非常に強固です。ひとまずモントリオール国際本部のトレーニングに招集して、育成しながら考えようというケースもあります。(※)ジェネラルトレーニングといいます。

    恥ずかしがっているのは勿体無い。「まだ微妙かも・・・」と思っている演技映像でも、ガシガシ送り付けてみましょう。

    2.半年に一回は新しい映像を提出すること

    会話の中で「映像の鮮度」という話が出ました。これは候補アーティストが最も注意しなければいけないことです。

    オーディション合格後は、気長に待てば契約の話がくる…と思っている人が多いようです。でもこれは間違いです。キャスティングでは半年以内の映像を優先するそうです。古くても1年以内。

    なので2年前に映像を送ったから大丈夫ーー・・・と気軽に構えている人は、既に候補リストの下の方に追いやられているかも。

    シルクドソレイユが求めているのは「進歩」だといいます。毎月送る必要はありませんが、数ヶ月に一度は新しい映像を送った方が得策のようです。

    3.WEBサイトをフル活用してほしい

    キャスティングに映像を送るのに活用して欲しいのが「Job」のページです。シルクドソレイユの公式ページからリンクが貼ってあり、進んでいくと「個人アカウント」を作ることができます。

    キャスティングは、もっとここを活用して欲しいと考えているようです。

    ■参考ページ:Auditions, Jobs & Employment | Casting | Cirque du Soleil

    個人アカウントに映像や情報があれば、キャスティングがスグに閲覧できます。ショーに入れるかは、実力だけでなくタイミングも大切。今スグ必要!!となったとき、個人アカウントでアピールできていれば声のかかる確率はグンと上がります。

    事実、自分も個人アカウントに挙げていたYoutube動画がキッカケで、キャスティングから電話が掛かってきました。

    おわりに

    f:id:shoichikasuo:20100625202515j:image:w400
    (C)Cirque du soleil images

    ショーの改変やアーティストの故障、新作ショーの創作・・・シルクドソレイユがアーティスト候補を必要とする場面は年々増えています。最近ではスペシャルイベント*2も増えていて、今後も求められる人材が増えていくと予想されます。

    今回紹介した「自信がない映像も入れる」「半年に一回は新しい映像を送る」「WEBサイトを活用する」の三つを頭に入れて、これからも積極的にキャスティングへアピールをしてください。

    あと、実際に自分がシルクドソレイユに提出した映像をこちらのページで紹介しています。今回の記事あった内容を踏まえて作成しているので、こちらも参考にしてくださいね。

    note.mu

    *1:ショーに出演する候補アーティストを探す部署のこと。スカウト。

    *2:期間限定ショーのこと

  • 縄跳びの限界はどこ?トランポリンで高いジャンプをすれば「何重跳び」までできるか?

    縄跳びの限界はどこ?トランポリンで高いジャンプをすれば「何重跳び」までできるか?

    こんにちはー。
    縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

    よく縄跳びに必要なのは「回す力」と「ジャンプ力」のどちらですか?という質問を受けます。

    もちろん両方あるに越したことはないです。でも圧倒的に大切なのは「回す力」です。というより、実は四重跳び以降のジャンプ力には「五重跳び」も「六重跳び」も大きな違いは無いんです。

    これはどういうことなのでしょうか?

    垂直飛びが高くても滞空時間に差はない

    ここで垂直跳びが50cmのAさんと、80cmのBさんがいたとしましょう。その差は30cmです。これだけ差があれば、ひと目でジャンプ力の違いが見て取れますよね。

    では、このジャンプ力の違いで縄跳びの差に繋がるか。残念ながらほとんど関係ありません。なぜなら縄跳びに必要なのは「最高到達点」ではなくて「滞空時間」だからです。

    たとえばこのページで計算してみましょう。二人の体重を50kgとして、一体どのぐらいの差が生まれるでしょうか。

    ■参考ページ:空気抵抗有する自由落下(距離から計算) – 高精度計算サイト

    Aさん:垂直跳び50cm

    自由落下の経過時間(t)=0.32(小数点第二位を四捨五入)
    滞空時間=0.32 x 2 = 0.64秒

    Bさん:垂直跳び70cm

    自由落下の経過時間(t)=0.4(小数点第二位を四捨五入)
    滞空時間=0.4 x 2 = 0.8秒

    計算上、この二人には0.16秒しか差がありません。ちなみに垂直跳びで「200cm」を跳ぶことが出来れば、滞空時間はAさんの倍の「1.28秒」になります。つまり、地球上の人間では滞空時間に殆ど差は生まれないんです。

    トランポリンで高いジャンプをしたら?

    http://www.flickr.com/photos/7900943@N06/2937337584
    photo by lintmachine

    では「トランポリン」を使ったらどうでしょうか。これなら200cmを跳べる人もたくさん居ます。トップ選手なら400cmは跳ぶので、「1.8秒」ほど滞空時間があります。

    しかし実際にやってみると、簡単には行きません。初めての人だと「三重跳び」すらおぼつかないことでしょう。なぜなら、いくら滞空時間が長くてもロープを回せないからです。

    高くジャンプをすると「空中バランス」が難しくなります。慣れないうちはまっすぐ跳ぶだけでも大変。更にロープを回すとなれば、しっかりとした練習と時間が必要です。

    またロープを早く回す感覚は非常に独特。柔らかいロープを正確に回し切る技術は、一朝一夕で身に付くものじゃありません。

    で、十重跳びはできるのか?

    以前、宇宙飛行士の若田さんが「12重跳び」を成功させたという話がありました。では重力のある地球上ではどうか。自分が知る限りだと、八重跳びが限界のようです。それもトランポリンを使ってギリギリ1回だけ。着地後はバランスを崩して吹っ飛んでしまうという…。
    (※)すみません、動画は既に削除されていました。

    自分も挑戦しましたが、地上と同じ六重跳びまでしかできませんでした。それ以上になるとバランスを崩してしまい、うまくロープが操作できないんです。つまりは、ジャンプ力を鍛えるよりも「回し方」や「ロープ」の研究をしたほうが夢の十重跳びに近づけるってこと。

    まだ誰も手を付けていない分野なので、興味がある人は「トランポリン縄跳び」の限界に挑戦してみてはどうでしょうか?

  • シルクドソレイユのアーティストは、実はショーに「飽きる」という事実

    シルクドソレイユのアーティストは、実はショーに「飽きる」という事実

    こんにちはー。
    縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

    シルクドソレイユでは、週に8-10回のショーが公演されます。公演内容は基本的に同じ。稀に振付や照明に手直しが入りますが、ベースとなる部分はほとんど変わりません。

    とくに自分の出演している常設ショー*1の場合、出勤時間もショーの時間にも変化はありません。世界中をサーカスで旅する、ということも無いです。

    ちょっとだけ想像してみてください。この環境で週5日で10回、年に450回以上の公演をしたら「飽きる」と思いませんか?

    ショーには変化が少ない

    夢を壊してしまいそうですが、これは事実です。多くの場合、ショーに出演はじめて3ヶ月程度で演技に慣れ、飽きが始まります。早い人は1ヶ月程度で飽きてしまう…なんてアーティストも居るんだとか。

    ただ、これは仕方ない。なぜなら日々のショーには変化がないんですよ。シルクドソレイユからは一定の水準の演技が求められます。でもそこをクリアすれば、あとは繰り返しの連続。しかも、意外とシルクドソレイユ側から「新しいこと」を要求される機会は少ないんです。

    たとえ大勢から喝采を浴びようと、日常に入り込んでしまえば「飽き」から逃れるのは至難の業なんです。

    アーティストは自身への変化を求める

    では「飽き」にぶつかったアーティストはどうするか。ここで多くの人は「独自プロジェクト」を立ち上げます。

    たとえば動ける身体の基盤のある人であれば、サーカスアクトを率先して習得しにいきます。エアリアル*2、ロシアンバー*3、フライングトラピス*4など、選択肢はたくさんあります。

    また趣向を変えてジャグリング、縄跳び、シルホイールなどの専門アクトを練習するアーティストもいます。こちらの方が習得に時間はかかりますが、一度身に付けてしまえば他と差別化ができるんです。

    こうした独自プロジェクトを行うのは、自身への変化を求めているからです。

    どんなアクトも最初は初心者。時間をかけて練習すれば着実に上達し、一定の変化を得ることができます。また運良く他のポジションが見つかれば、新しいショーやアクトに挑戦することができます。

    だから、ショーの空き時間は多くのアーティストが率先して練習をしています。しかも皆「自分の専門外」のアクトの練習をするんです。

    おわりに

    http://www.flickr.com/photos/37763580@N05/5664958093
    photo by Mandee Carter

    いくら傍から見ればど非日常と思える世界でも、変化が無くなれば飽きてしまう。でも飽きること自体が悪いワケじゃありません。そこからどんな選択をするかが大切だと思うのです。

    どうやらこの事実をシルクドソレイユも理解しているようで、新しいプロジェクトを始めることに非常に好意的。新しく学びたいという意欲を、いろんな形でサポートしてくれます。

    ただそれは自発的にプロジェクトを始める人に限った話。学ぶことを強制したり無理強いすることはありません。つまり「求める者」のみに与えられる環境なのです。

    上達や進歩も変化です。なんとなく「飽き」が日常に入り込んでると感じる人は、どこかで「独自プロジェクト」を始めてみてはどうでしょうか?

    *1:専用の常設シアターのみしか公演しないショー。

    *2:空中にモノを吊るした状態で行う演技の総称

    *3:細いバーの上で宙返りをするアクト

    *4:空中ブランコのこと

  • パクって褒められるモノと、パクって叱られるモノの違い

    パクって褒められるモノと、パクって叱られるモノの違い

    こんにちはー。
    縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

    東京オリンピック2020のロゴがパクリなのでは?と話題になっています。真相はわかりませんが、個人的には早く解決して本文の開催に向けた動きを進めてほしいなぁと。

    この件を見ていて、あることを思い出しました。自分は「パクリ」にもマイナスになるパクリと、プラスになるパクリとがあると思うんです。

    簡単にパクれるモノ

    たとえば「デザイン」や「文章」はパクりやすい。コピペは簡単にできるご時世ですし、このブログも一時期丸パクリの被害に遭いました。万年筆のアイコンで有名なTwitterアカウントは、のパクツイは今でも揉めていますし。

    こうしたパクリって簡単なんですよね。色を変えるだけとか、サイトのURLを入れ替えるだけとか。つまり誰にでもできるんです。

    しばらくの間は評価や報酬を受けることができるでしょう。でもそれも続きません。人は飽きていく生き物なので、とくにネット上では新しい情報を常に求めています。するとまた次のパクリを繰り返すことになるんです。

    たしかにパクるネタを上手に見つける能力は身に付きそうですけど、それって何も生み出せないんですよ。結局あと追い的にパクリを繰り返すだけで、本人には何も残りません。

    率先してパクった方がいいモノ

    では本人にプラスになるパクリとは何か。「システム」をパクるんです。

    人のアイディアをそのまま流用するのでは「マイナスのパクリ」です。ここで一歩踏み込み「どうやってこのアイディアに辿り着いたんだ?」というシステムを研究してパクる。システムさえ見つけられれば、あとは活用してオリジナルのアイディアを生み出すのみです。

    たとえばスポーツ競技の「技」も率先してパクった方がいいモノです。上手な人の真似をしろ!とよく聞きますよね。これは「上手にパクれ!!」と同義語だと思います。

    対象の人はなにを考えて練習しているか、どんな練習メニューをしているか、動きを身につけるのに何を食べているか…。どんな些細なことでも真似してパクって、自分の「技」にする。これを世間では上達と呼び、大いに推奨される行為なのです。

    ■関連記事:センスとは「モノマネ力」である

    もっと上手にパクろう!

    http://www.flickr.com/photos/75927779@N00/3941853759
    photo by valentinemariner

    一時期、人と同じはダメだ!と思い込んでいました。オリジナルじゃなきゃいけないという、変なプライドがあったんです。

    でもスポーツや運動に限って言えば、人と同じ事ができるのは素晴らしいこと。トップ選手と同じことができれば、トップ選手になるんですから。

    目標の人物や演技のシステムをパクり、ドンドン自分のモノにしていく。こういう貪欲な姿勢があってもいいと思います。