なわとびパフォーマーの仕事論

結果を出したいなら「本気トランス状態」という劇薬を知ろう。

こんにちはー。 縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

スポーツでも仕事でもそうなんですが、もっと本気出せよ!と思うコトが多いです。

たとえば競技でトップを狙うには、相応の練習量と質が必要です。週に1回だけダラっと1時間練習する人。はたまた毎日30分でも真剣に取り組む人。どちらに結果が付いてくるかは明らかですよね。

ここで登場です。上手になりたいなら本気出せよ!ってね。

今までも割と平気で「本気出せ」って吐いてきました。でも人に掛ける「本気出せ」には注意も必要だと気付きました。なぜなら、本気トランス状態は劇薬なんです。

本気の状態でトランスする

何かを習得するとき、自分はいつもガッツリのめり込みます。縄跳びもそうでした。他にもシルクのショーでの演技、Webページとかブログも同じです。

このガッツリのめり込んだ時は、本気がトランスしたような状態なんです。一つのことにものすごい集中力で取り組みます。

ある時、必要に迫られてWEBページを勉強しました。もうズブの素人だったんですけど、ドットインストールを知ってからアホほど勉強しました。時間感覚は忘れます。MAXの時期はショー後、1週間ほど4時間〜5時間はコードを毎日書き続けました。

こんな感じに短期間でガーーーっ!!と詰め込んで集中する。もうトランス状態なんですよね。しかもこの短期間で習得したことは忘れない。おかげで今もHTMLはCSSは書けますし、WordPressレベルのPHPもいじれます。

こんな風に「本気トランス状態」は劇的なスピードで成果が出せるんです。

続けすぎると心が壊れる

一方でデメリットもあります。ある日突然、糸を切ったように心が壊れていくんです。これは「ショーに向き合うこと」にトランスしてた時に経験しました。

当時はステージ上での完璧を期すため毎日練習してました。それでもミスが起こると自分が不十分だったと許せなくなる。あるとき、不意にスタンバイ中に涙が出てきたんですよ。もう無意識に。

こりゃさすがにヤバイなぁと思い、練習ルーティンやステージでの心持ち諸々を見直し。なんとかギリギリの所から戻ってこれました。

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本気トランス状態は「劇薬」なんです。用途用量を正しくお使いください的な。いつも飲み続けたら簡単に身体を心を壊してしまいます。

一度経験すれば、強力な武器になる

為末さんは著書でこんなことを仰っていますね。

人間は本気で挑んだときに、自分の範囲を知る。手加減して飛べば本当はどのくらい飛べたのかがわからない。だからいつも全力でやってほしいと子どもたちに言っている。

全力で試してみた経験が少ない人は、「自分ができる範囲」について体感値がない。

引用:諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉

ここで取り上げてた「本気トランス状態」も、為末さんのいう「自分ができる範囲」と同じです。一度は経験が必要なんですよね。たった一回でもいい。

そうすれば次回以降に「本気トランス状態」を利用できます。ガーーーっと集中した短期間は、普段の数倍の成果が上げられます。

ちなみに、経験上「自力のみ」で本気トランス状態を経験するのは難易度が高いです。

人は甘えと妥協の気持ちが出てしまいますからね。鬼コーチ、強力なライバルなど、自分以外のファクターに尻を叩いてもらうと、本人でもビックリするような本気トランス状態を経験できます。

おわりに

http://www.flickr.com/photos/36169570@N08/4604140980
photo by Wiertz Sébastien

人に対して「本気を出せ!」というのは、この劇薬を使え!と言ってることになるんです。効果はもちろんですが、デメリットがあることを忘れてはいけません。

またあなた自身が使う時も、くれぐれも用量と頻度に気をつけてください。あまり続けすぎると「依存症状」がでてきます。本気じゃない状態が許せなくなるんです。

どうしても成果がほしい!!そんな時だけ「本気トランス状態」という劇薬を思い出してみてください。

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