シルクドソレイユが教えてくれた大切なコト

あなたが目指すべき「天才」ではなく「天才じゃないのに選ばれる人」

こんにちはー。
縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

どのジャンルにも「天才」だなぁ…と羨ましくなる人はいます。

縄跳びの世界だと「Luke Boon」や「Nick Woodard」といった選手は、もはや才能の違いを見せつけられ、悔しさより拍手が先に出てしまいます。こうした天才に学ぶことはあるでしょう。でもガチの天才から学べる事って実はは少ない。

我々は、天才じゃないのに活躍し選ばれる人からこそ、学ぶことが多いと思うのです。

天才の理屈は一般化しにくい

生まれ持った天性の才能がある人は、どの分野に入った途端みるみる頭角を現します。一気にトップに登る詰める人なんかは、わりとこのケースが多い。彼らも才能だけでのし上がったわけじゃなく、努力の結晶として結果が付いてきているのは分かるんです。

でも、彼ら方法論は時として「こちら側」の人間にとって突飛すぎて付いて行けないんです。

日本体操会の伝説「加藤澤夫」さんには、こんな逸話があります。

体操の大会本番直前練習中。他の選手が技や演技の確認をしています。でも加藤選手はバタバタと器具から落っこち、着地を失敗し、加藤澤男の見る影もない失敗の連続です。当時日本の絶対的エースと言われた加藤選手。調整のミスか、スランプか。周囲のチームメイトは青い顔で見守ることしかできません。

しかし本番では練習の失敗がウソのように、いつも通りの完ぺきな演技です。何の危なげもなく優勝をしてしまいます。

後にチームメイトが加藤選手に「なぜあんなに練習で失敗したんだ?」と話を聞くと、

「あれは失敗の練習をしていた」
「このやり方だと失敗する、というの全て試した」
「そのやり方を本番でやらなければ失敗しないからね」

と答えたといいます。

◆関連記事:加藤澤男という伝説 – なわとび1本で何でもできるのだ

天才は放っておいても選ばれる

天才は黙っていても世間が放っておきません。本人が意識してなくても人が集まってきますからね。つまり、誰かに選ばれるための戦略的な方法を取っていない可能性が高いんです。

スポーツのように誰の目にも明らかな「成績」があれば分かりやすいです。ですが、コミュニケーション力、文章力、営業力といった評価が難しい能力ほど、人に選ばれるために戦略的な考え方が大切になると思うのです。

シルクドソレイユでも似た事がよくあります。

△△さんとか※※さんとか、同じぐらいの能力の人がたくさんいる。でもいつも選ばれるのは◯◯さん。仮に◯◯さんが圧倒的な選ばれるに値する「なにか」があれば納得なんです。でも、大体はよくわからない。なぜこの人?と言われても、実際に選ばれる過程で名前が上がる。そして、◯◯さんばかりキャリア経験を積んで、出世していく。

これが◯◯さんの持つ「戦略的な作戦」です。

誰も見てくれないからこそ

悲しいお知らせですが・・・もしあなたが天才だったとしたら、すでに結構な場所まで上り詰めているでしょう。島田紳助さん曰く、天才は内心「ここで勝つの、チョロい」と感じるそうです。

一方で、◯◯さんの事例のように、周囲と能力がさほど変わらないのに選ばれる人は「戦略的な作戦」を取っている可能性が高い。たとえば上司の求める仕事を優先するとか、市場で選ばれやすい能力を率先して伸ばすとか、選ばれるためにどういった道筋をたどれば良いかをジックリ考えているんです。

◆関連記事:市場から選ばれない人材:足りないのは能力や価値でなく「想像力」 – なわとび1本で何でもできるのだ

このやり方は「天才」と呼ばれる人が苦手な可能性が高い。黙っていたら誰も見てくれないからこそ、頭を働かせ戦略的な作戦を考えるのです。

おわりに

http://www.flickr.com/photos/57254022@N03/9639918937
photo by Gemma Stiles

自分も、もっと天才に生まれれば…と何度も考えたことがあります。縄跳びでも世界一になれませんでしたし、サーカスの世界でも上を目指せば目眩がします。

トップには「天才」と思える人が大勢います。でも同じぐらい「天才じゃないのに選ばれたんだろうな」という人もいます。

天才との才能差を嘆くのはだけじゃない。どうすれば「あの場所」に行けるかを考えた人たち。だからこそ「天才じゃないのに選ばれる人」にこそ、我々が学ぶことが多いのです。