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誰でも出来ることを、誰もができない次元で魅せる:フリースタイルフットボール世界チャンピオン「ALEG-Re」に学ぶ革新のヒント

こんにちはー。
縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

Twitterのタイムラインで見たこの記事に深く共感したので紹介します。

世界大会 SuperBall 2015 で僕たちALEG-Reが魅せてきたのは要約するとまさに「誰でもできることを、誰もができない次元にして魅せる」です。

自分は実は「シンプルなことが一番難しいのではないか。」という考えをもっています。

誰でもできる技をしているにもかかわらず、誰もができない次元で魅せる。YOSSHIがやるから、ALEG-Reがやるからかっこいい。という次元にもっていくには、基礎の究極を追い求め続けること。本物であること。が重要になるはずだ。をテーマに何年もやってきました。
(※)一部中略

出典:世界一への道のり – 日本創成期からフリースタイルフットボールを牽引するチーム

この記事を書いているYOSSHI (@7YOSSHI7)さんはフリータイルフットボール*1の2015年世界チャンピオン。実際に優勝された時の映像がこちらです。

先日もパフォーマーが機械に仕事を奪われるかも?という記事を書きましたが、自分も彼らの持っている「シンプルが一番難しい」という考えに賛成です。

また「誰でも出来ることを、誰もが出来ない次元で魅せる」というのは、他のジャンルにも通じる有効な考え方なんです。

ALEG-Reの凄さは音との調和

自分はフリースタイルフットボールに明るくないため、この機会に同じ大会の二位と三位の演技も見てみました。すると、よりALEG-Reの二人の演技が突出していることがわかります。

◆参考映像:
DOUBLE ROUTINE (2nd Place) – Gautier & Clem (France) :: Super Ball 2015 – YouTube
DOUBLE ROUTINE (3rd Place) – Brynjar & Erlend (Norway) :: Super Ball 2015 – YouTube

なにより特徴的なのは、ALEG-Reは演技を音楽に合わせていること。他のチームも音楽こそ流れていますが、ただのBGMなんです。でもALEG-Reは違う。ちゃんと音ハメ*2もしてるし、身体とボールの動きがずーっとリズムと合ってるんです。

シンブルを昇華させる

http://www.flickr.com/photos/7471115@N08/4720149735
photo by Mr.TinDC

門外漢の自分が想像するに、これはとてつもなく技術の必要なことだと思います。だってボールが自由落下してるのを、音に合わせて制御してるんですから。おそらくALEG-Reのいう「誰でもできること」はこれら技単体。しかし彼らはこれらの技を「振付」に昇華させて「誰にもできない次元」に押し上げたのだと思います。

この「シンプルだけど難しい」の流れは、間違いなくどのジャンルにも出てきます。それは単に基礎が上手という意味じゃなく、基礎を応用・活用するということ。ALEG-Reの場合は音楽に合わせることで「シンプル」の難しさを突出させていました。

たとえばダブルダッチでいうとRoyal Double Dutchの流れがこれに入ります。絶対にみんなが回すロープ。そのロープを最大限に魅せる手法を研究しているスタイルは、「誰でもできるけど誰もできない次元で魅せる」に合致します。

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新しい=誰も見たこと無い、とは限らない

斬新なアイディア、新しい概念というと「誰も見たこと無い」や「世界のどこにもなかった」といった世界初な印象があります。しかし新しい=見たことがないとは限りません。たとえ誰もが見たことある「シンプル」だとしても、いやむしろ皆が知っていることだからこそ、世界に与える衝撃が大きいのです。

新しいことを求めて遠くばかりを見ている人は、たまには足元に目を落としてみましょう。今あるシンプルを極めることも、素晴らしいオリジナリティの一つだと思います。

*1:音楽に合わせてリフティング等の技を組み合わせた演技を行う競技

*2:音のアクセントに動きを合わせること