なわとびの基礎知識

粕尾将一が演技で使う縄跳びを選ぶ、3つのポイント

先日、問い合わせフォーム経由で「粕尾さんはどのような縄跳びを使っていますか?」という質問が来ました。

このブログでも前とびや二重跳び、そして交差とびの時にオススメの縄跳びは紹介してきました。が、言われてみるとたしかに自分自身が使ってる縄跳びを紹介したことがなかったなぁと。

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なので今回は、縄のまっちゃんこと粕尾将一がどんな基準で縄跳びを選んでいるかを紹介します。

ショーで使っているのはインド製

まず、いまシルクドソレイユで使っているのはインド製の縄跳びです。これは競技選手時代からずーっと使っていて、かれこれ10年近く同じものを使っています。

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自分が縄跳びを選ぶ基準は大きく分けて「太さ」「硬さ」「色」の3つ。インド製の縄跳びはこれらの要素を良い感じに満たしてるんですよ。まぁ冬場に切れやすい欠点はあるのですが…。

太さは4mm、これ以上細くしない

まず1つ目に見るのは太さ。自分はいつも4mmの縄跳びを選ぶようにしています。

これが0.5mmでも細くなると、途端に軽く回せるようになります。それだけ空気抵抗が減るんですよね。たった0.5mmでも回した感じは大きく変わるので、太さ選びには慎重になります。

実を言うと、もっと細い方が三重跳びはやりやすいです。以前は3mmのを使っていましたので、そちらに比べれば4mmは随分と思いっ切り回す必要がある。

でも、太いほうが見た目が良いんですよね。

そりゃ10mmとか20mmの綱みたいなのを使えばもっとよく見えます。でもこれだと得意の素早い技ができません。反対に2mmとかにすれば圧倒的に跳びやすいですが、客席から殆ど縄跳びは見えない

自分たちは跳ぶ姿を見てもらってナンボの商売なんで、演技に支障が出ない範囲で太くするようにしてます。


(※)三重跳びに特化した縄跳びの例。細い設計なので早く回すやすい。

柔らかすぎる縄跳びは操作しにくい

次に見るのがロープの硬さ。

硬さを調べる指標は、足で踏んでみて必要以上に伸びないかどうか。なかには10cm近く伸縮する縄跳びもあるので、あまり伸びないモノを選ぶようにしています。

これは好みの問題もありますが、跳んだ時の操作感が柔らかさで違うんです。仲間内では柔らかすぎる縄跳びを「テロテロ」と表現していますが、柔らかいと回しながら空気抵抗で振動する。この振動がテロテロとした感触としてグリップから伝わってくるんです。

自分は縄跳びに常に意識を入れていたい派なので、このテロテロがあると邪魔。繊細なコントロールの妨げになります。

ただ硬い縄跳びにはクセが付きやすいのが欠点。保管方法を間違えればスグ癖が付き、戻すのに手間が掛かかります。この点、柔らかい縄跳びは癖がつきにくいので、あまり保管に気を使う必要はありません。

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なんだかんだ、白がいい

最後は色ですが、自分はいつも白の縄跳びを選んでいます。なんだかんだ白い縄跳びが見えやすいからです。

海外に目を向けても、9割以上の選手はビニールなら白を使っています。国内のトップ選手もほぼ全員が白い縄跳び。みんな考えることは同じなんですよね。

色味がある方が見えるように思えます。しかし縄跳びは高速で動くため、色味があるとかえって背景に溶けてしまい見えにくくなるんです。

様々な色を試しましたが、なんだかんだ白がベスト。白だと軌道がよく見えるため問題点を見つけやすいです。ちなみに黒は最悪。もはやエア縄跳び状態で、縄跳びが当たった場所すら見えません。

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パフォーマンスと言う意味でも、客席から一番見えるのは白です。ラヌーバでは更に照明を当てて目立たせますが、どんな背景でも白だけは綺麗に見えるんですよね。

まとめ

今回は粕尾将一基準の選び方を紹介しました。ですがこれらはあくまで、ステージでのパフォーマンス性を重視してのことです。もし三重跳びをするのであれば細い方がいいし、二重跳び以上をするなら色なんて気にしなくても大丈夫。

ただ残念なのは、これだけ縄跳びが盛んな日本国内にパフォーマンスで適したモノが売っていないこと。インドの会社が製造できるんですから、日本でだってきっと作れるはずですよね。

もし、粕尾将一にピッタリの縄跳びを作るぞ!!という心優しい企業の方がいれば、ぜひご一報ください。