なわとびパフォーマーの仕事論

丁寧な仕事をする人ほど他人に厳しくなり、イライラを溜めやすい件

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photo by Xavier Donat

新品のスマホ画面って小さなホコリがくっ付くきますよね?

普段は見えない小さな小さなホコリ。これがあると綺麗にフィルムが貼れないので、誰しも念入りに拭き取ります。

でもしばらく使うとこうしたホコリやゴミが気にならなくなる。というか、ホコリが見えなくなる。さらに長年使い込んだスマホだと多少の傷や汚れすら気にならなくなって、落としても心のダメージは殆ど無い。

当たり前ですが、これは新品が綺麗だから起こることです。何の汚れもなければ傷もない。だからこそごく小さなホコリや汚れでも目に留まって気になるんです。

洗練するほどに粗が見えてくる

これって、練習や仕事に通じる部分があると思うんです。

いくら反復練習繰り返しても、その度にどこかに「ズレ」や「乱れ」が見つかる。これは初心者に限ったことではありません。むしろ上達していくに従い、より細かな箇所に不満が見えるようになるんです。

これは新品のスマホに付着したホコリの原理と同じ。

練習を重ねる度に動きや技が洗練されていく。でも洗練されるからこそ、小さなホコリのように細かい箇所が気になる。さらに練習を重ねれば、さらに細かい箇所に気が行くようになる。このスパイラルがずーっと繰り返されていきます。

ある程度までは、上達のための強力な武器になります。
ところがある時点を境に、自らや周囲へと刃を向くようになります。

他者排除に発展していく

洗練する、より小さなことが気になる、より洗練する、より小さなことが気になる・・・。

このスパイラルの特徴は「自分が思う問題点」に必要以上に注意が集まることです。「自分が問題だと思うから、これは問題である。」という具合に、他者の介入を無意識に阻害してしまう。

さらに質が悪いのが「自分が問題だと思うから、皆も問題だと思うに違いない」という状態まで進行したとき。個人内で勝手に動いている間はまだ良いですが、ここまで来ると他者排除が始まります。

殆どの場合、この時点で問題点は周囲からは見えないほど些細な事象。でも本人的は、まるで巨大なプロジェクトを推進しているかのように考えています。

そして解決した問題に対して、
意見の合わない人、賛同しない人、そしてアドバイスを掛ける人までも排除の対象になる。

ここまで来てしまうと周囲が何を言っても難しい。
本人が自身の異常事態に気付くまでは、触らぬ神に祟りなし状態です。

そして決まり文句が、
「なぜみんな分かってくれないんだ!!!???」
です。

自分と他者が見ている景色は違う

ある人が見れば完璧でも、ある人が見れば不十分。それは見ている景色が違うからです。100人に聞いて100人が完璧だ!!と絶賛する仕事なんて存在しません。探せばひとつぐらい粗があるでしょう。先ほどのホコリのように細かなことが気になる人だって居ます。

この現象に陥りやすいのが真面目な人。自制心が強く責任感もある。仕事ができると言われてる人も多いと思います。

もしあなたが「みんな分かってない!!」と腹が立つことが多い場合、ふと立ち止まってみてください。

その仕事をわかってるの、あなただけじゃありませんか?