シルクドソレイユに入団する

シルクドゥソレイユ【公認】【登録】【所属】パフォーマーに関する、エトセトラ

右ひざの半月板手術から、今日で4日。

2006年の前十字靭帯の手術時からすると、痛みが皆無すぎて拍子抜け。

そりゃ痛くない方がいいけど…手術当日から普通に出歩けるって、なんか手術した感が無くて変な感じww

今回はビジネス的にデリケート?なことについて一石を投じたいと思う。

シルクドゥソレイユの公認パフォーマーです!

この響きをどこかで聞いたことがある方はいないだろうか?Googleさんに聞いてみると、【登録パフォーマー】【所属パフォーマー】【公認パフォーマー】という表現をすぐ見つけることができる。

2年ぐらい前、知人の友人が「シルクドゥソレイユの養成所に入った!」と連絡をくれた。縄のまっちゃんがちょうどラヌーバに入ったところだったので、知人も何かしらのつながりがあると思って連絡をくれたのだろう。

残念ながら、日本はおろか、世界のどこにも養成所は存在しない。

他にも、

「公認パフォーマーになるにはどうしたらいいんですか?」

「縄のまっちゃんは登録パフォーマーの○○さんを知ってますか?」

みたいな質問メールが頻繁に来る。

どう捉えるのも個々の自由だと思うけど、ここ3年間モヤモヤした気持ちがずーっと渦巻いていたので、この場でハッキリさせておこうと思う。

○○パフォーマーは、作り話です

最初に言っておこう。所属、登録、公認etc…こんなパフォーマーはシルクドゥソレイユに存在しない。おそらく彼らがいうのは「オーディションに合格した」ということだろう。だが、オーディションに合格した段階だけではシルクドゥソレイユとは何ら関わりはない。

私が受けたベルリンでは、200人が応募して最後に残れるのはたった4人だけ。私は幸運にもその4人に残ることができました。後で聞いたのですが、こうしたオーディションはベルリンだけでなく世界100ヶ所で行われているそうです。つまり2万名もの人達が応募しているということなんです。

そのオーディションに受かっても、すぐに舞台に上がれる訳ではありません。

まずは、「バンク」と呼ばれる「シルク・ドゥ・ソレイユ」専用の人材登録のようなところに名前が登録されるだけなんです。

ここで自分が指名されるのを待つことになります。長い人だと、5年くらい待ち続けているという人も少なくありません。

(※)出典:元「シルクドゥソレイユ」ダンサーの文具術 http://allabout.co.jp/gm/gc/197291/

シルク・ドゥ・ソレイユのShowに出演するまで フローチャートまとめ

http://matome.naver.jp/odai/2135800525571097801

これらの記事にもある通り、オーディション はあくまで出演候補者に唾付けをするだけ。合格したからと言ってすぐにステージに立てるわけではないし、シルクドゥソレイユのお墨付きというわけでもない。というか、そもそもお墨付きを与えるようなシステムすら存在していない

シルクは完全な契約社会

シルクドゥソレイユは完全なる契約社会だ。欧米諸国ではよくあるスタイルだと思う。ここにある仕事に対して会社が人と契約をするかどうか、それ以上でも以下でもない。もちろんShowでステージに上がるアーティスト※も例外ではなく、個々に会社と分厚い契約書を交わしているのだ。

※一般にステージに出る人をアーティストというので、この表現で統一

契約の種類には「期限付き短期契約」と「期限なし長期契約」の2種類がある。前者は誰かのバックアップとして出演する場合、後者は誰かが辞める場合の交代、もしくは新作Showへの召集などがある。特異な例として「スペシャルイベント」という契約があるが、これはShowとは別の契約なので今回は割愛。

印籠として安易にかざされる「ブランド」

ここまで読み進めて頂いた方ならお気づきだろう。登録・所属・公認パフォーマーというのは当人が個人的に作り出し、フレコミに使用しているだけだ。日本でシルクドゥソレイユは広く知られるようになった。フレコミとして使うのにはうってつけなのだろう。

キャッチコピーの表現、文章の作り方は自由だろうし、とやかく言うことはできないが、縄のまっちゃん的には腑に落ちない。まだ数年しか所属していない団体ではあるが、30年近い歴史で積み上げてきたモノがあってこそのブランドだと思う。Showの創作や経営には並々ならぬ努力と、お金がつぎ込まれている。またShowで演技をするアーティスト、裏方、ステージを作る全員が日々積み重ねてきた結晶でもあると思う。

身体を痛めながら、心を削りながら、全力でステージに向かっている人々が作り上げてきたブランドを、賢く上手に利用する。

賢い商売戦術だと思うけど、好きなやり方じゃないなぁ。